ツバメは短足

この時期ツバメが、
越冬地の台湾や東南アジアから日本に繁殖のために、
帰ってきていますね。
ツバメの産卵期は4月から7月頃です。
鹿児島県に到着するのが2月下旬から3月上旬。
関東地方には、3月下旬から4月上旬に到着するようです。
 
9月中旬から10月下旬には、
台湾を経由して暖かい東南アジアに渡っていきます。
こんなにも長い距離を、本当にご苦労様です。
 
私の職場の近くでも、つがいのツバメが一生懸命巣作りをしています。
新しい命が生まれようとしていることに感動です。
春は生命のエネルギーに満ちています。
 
こんなにも遠距離を移動するツバメの飛翔能力は抜群です。
通常の飛行時には時速40〜50㎞。
天敵の鳥に追われているときなどは、時速200㎞で飛ぶそうです。
高速で飛ぶために、
ツバメの羽の形状は先端が尖って先細になっていて、
翼が後退したような形をしています。
 
飛ぶのが得意なツバメですが、
その代わり歩くのは苦手なようですね。
ツバメが地面を歩くことはほとんどなく、
巣作りのための泥を採取するとき以外には、
地面に降り立つことはありません。
 
なんと水を飲むときも、
水面上を飛行しながら水を飲むそうです。
 
ところで、
ツバメが低く飛ぶときには雨が降ると昔から言われています。
これは、雨が降る直前には湿度が高いので、
空を飛ぶ虫の羽に水分が付いて重くなって、
虫が低いところを飛ぶようになるからです。
空中の虫を食べているツバメも、
虫に合わせて低いところを飛ぶようになります。
 
さて、秋には暖かい東南アジアに渡って行ってしまうツバメ。
寒さには、からっきし弱いんでしょうね。
 
ツバメは、北半球の広い範囲に分布します。
世界的にメジャーな鳥なんです。
ヨーロッパでは、「幸福な王子」というツバメを題材にした童話があります。
童話の内容をご存じの方も多いと思いますが、
ウィキペディアから粗筋を引用しますと、

町の中心部に高くそびえ立つ自我を持った王子像が、
あちこちを飛び回って様々な話をしてくれるツバメと共に、
苦労や悲しみの中にある人々のために博愛の心で
自分の持っている宝石や自分の体を覆っている金箔を分け与えていくという
自己犠牲の物語。
最後は、宝石もなくなり金箔の剥がれたみすぼらしい姿になった王子と、
南に渡っていく時期を逃して寒さに凍え死んだツバメが残る。

という内容です。
この童話の中では、
南に渡るタイミングを逃したツバメが
寒さに凍え死んでしまうという結末が用意されています。
 
私はツバメを見ていると、とても一生懸命な感じを受けるのです。
東南アジアと日本を往復するだけでもスゴいことですが、
地面に降り立つことがほとんどないというのもスゴいです。
町中のハトを見ていると、
地面にお腹から座って日向ぼっこをしているヤツも一杯いるのに(笑)。
 
ツバメはセカセカセカセカ一生懸命に、巣作り・抱卵・育児。
時期が来たら、海を渡って遠方の地に。
 
きっと「幸福な王子」のツバメも、そりゃあ一生懸命に働いたのでしょうね。
 
(尾羽が長い方が、オスだそうです)