「成長」しない「生命」はいない

先日、職場の10歳以上年下の社員に、
「あなたは変われない」と言われました。
 
私はずっと「変わりたい」と想って、
このブログをもう5年以上続けています。
 
人は、「変われない」ものでしょうか?
 
私は、「変われる」と考えます。
 
何故なら、私達は生きているからです。
 
脳細胞を見てみましょう。
脳細胞は、他の組織の細胞と違って、
生まれた後は増殖しません。
減る一方なのです。
 
しかし、脳細胞間をつなげる回路は、日々形成されていきます。
この回路パターンが、人の学習の成果なのです。
 
出生時の新生児の脳の重さは約400gで、成人の脳重量が1200〜1400gになります。
脳がこれだけ重くなる理由は、細胞の数が増えるためではなく、
脳細胞自身が大きくなり、細胞間の回路経路が物理的に増えるためです。
 
つまり脳だけは、
内部の成長物質でなく、外部の刺激で「成長」していく器官なのです。
 
このことを理解すると、
自分と全く同じ細胞のクローン人間をつくったとしても、
同じ人格の人間にはならないことがわかります。
そのクローンに、全く同じ経験を積ませることが不可能だからです。
(関聨過去ブログ:たまには脳細胞のことを考えてみよう
 
私は時々、脳を彫刻作品のように感じることがあります。
私達が生まれたときには、脳はただの四角い石です。
しかし、生きて喜怒哀楽を経験して、
私達は四角い石に少しずつノミを打ち込んでいきます。
そうして死ぬときには、
その人の脳は宇宙で一つだけの作品(回路パターン)になっているのです。
 
脳細胞の数は、1000億から2000億と推定されています。
そして1つの脳細胞が他の脳細胞とつながっている数は、実に1万にも及ぶのです。
それを考えると、私達の脳の回路パターンというのは、
それこそ「星の数」ほど存在することがわかります。
 
私達が「人生」を通じて創りあげる脳の彫刻作品は、おそらく宇宙に1つだけです。
 
私達は、毎日毎日、脳という石素材にノミを打ち込んでいきます。
 
辛いこと。悲しいこと。悔しいこと。楽しいこと。嬉しいこと。
誰かを愛したり、誰かを憎んだり、悩んだり、ブログを描いたり。
誰かを傷つけたり、誰かを助けたり、誰かと一緒に泣いたり、誰かと一緒に喜んだり。
 
日々の私達の様々な「想い」が、脳に形を与えていきます。
 
 私は、変われます。
 
願わくば、私が死ぬときには、
涙が出るほど素晴らしい作品に仕上がっていますように。