2010-01-01から1年間の記事一覧

掲載作品について

本日、このブログを立ち上げました猿矢晃と申します。 このブログの趣旨については、 「優しい小説とは」カテゴリーをご覧ください。 また、このブログのテーマ作品である 「優しい小説」については「優しい小説」カテゴリーを参照してください。 更に、その…

「あした天気にしておくれ」

(注意)この作品のみ、暗く後味の悪いテーマを題材としています。 もし、そのような小説が苦手な方は他の作品を読まれることをお勧めします。 「あした天気にしておくれ」 俺にはキヨシという幼馴染がいた。 キヨシの家は貧乏で狭かったから、 アイツはよく…

「アクション!」

「アクション!」 気づくとスポットライトを浴びていた。 さあ、演技を始めよう。 配役は山下雄太。 舞台の上にいるのは俺だけじゃない。 なんと、役者の数は65億人。 台本はない。全てアドリブだ。 演じ始めてから6年目のある日、俺はある違和感を覚えた。 …

「Perfect World」

「Perfect World」 ※「エリカちゃんと月の音」の続編です 「イデア・サービス」 俺が加入した新サービスの名前だ。 なんでも、その人の理想をパソコン上に表示できるらしい。 その準備として、先日俺は自分のDNAデータを先方に送信した。 先日無事DNAデータ…

「生きる」

「生きる」 僕はロボットです。 僕は一時間前に生まれました。 だから、まだ手も足も顔もありません。 だけど、考えることができる。 ものを考えるのに必要な情報はインプットされているのです。 考えることができるから、 僕はこの世界に存在し、生きている…

「エリカちゃんと月の音」

「エリカちゃんと月の音」 「ねぇ田中君・・・月の音って聴いたことある?」 赤い夕日が差す放課後の教室で、 箒を片手にエリカちゃんは僕に話しかけてきた。 「えっ月の音?」 僕はエリカちゃんの質問の意味は良く分からなかったんだけど、 大好きなエリカ…

『人面犬2006』

『人面犬2006』 人面犬と出会った。真昼間から。 「やぁ」人面犬は出会いがしらに俺に話しかけてきた。 「暑いねぇ・・」人面犬は長い舌をハァハァしながら、 まぶしそうに俺を見上げる。 その時、俺はどうしたか分かるか? どうもしなかった。固まっていた…

『消えます』

『消えます』 俺は今日消えます。 ずっと彼女のことを見ていました。 だけど、彼女は俺に気づかない。 だから消えます。 私は今日何か大切なものを失うらしい。 占い師が言っていました。 だけど、一体何を失うのか分からない。 だからとても不安です。 彼女…

『天使のみぃちゃん』

『天使のみぃちゃん』 みぃちゃんはお母さんが大好きだ。 今、お母さんには好きな男の人がいる。 「みぃちゃん、今日はお行儀よくしててね」 お母さんは今日たくさんお化粧をしている。 あの男の人が来るんだ。 みぃちゃんはあの男の人が好きじゃない。 だけ…

『鬼子母神』

『鬼子母神』 「鬼は本当におるんよ」 ある日、お婆ちゃんは私に言った。 私がまだ6歳の時の話だ。 「うそだ〜♪」 ませていた私は鬼もサンタクロースもいないことを既に知っていた。 お婆ちゃんはニコニコして私の頭を撫でてくれた。 あれから、20年。 お婆…

『虹の彼方に』

『虹の彼方に』 俺は心の無いブリキの木こり。 そして、そこの痩せている少年は脳の無いかかし。 あと、向こうにいる大柄の中年男性が臆病なライオンだ。 それぞれ、「ブリキ」「カカシ」「ライオン」と呼び合っている。 「ブリキの木こりさん、どうか私と一…

『死にたい・・』

『死にたい・・』 「死にたい・・」 これが今現在の俺の口癖だ。 人生のレールを踏み外してからの俺の口癖。 俺の心には、その言葉が充満している。 街を歩いていても、何かのきっかけでその言葉を呟く。 周りの人間が訝しげに俺を眺める。 今まで、俺は当然…

『優しい唄歌い』

『優しい唄歌い』 優しい唄歌いがおりました。 彼はとても美しくて優しい唄を歌います。 彼の唄を聴くために、多くの聴衆が集まります。 町の名士も彼の優しい唄をたいそう気に入り、 彼を家に招きいれ、彼に何の不自由もない生活を与えました。 ある日、彼…

「優しい小説」を始めます。

初めまして。 猿矢晃と申します。このブログは、ある一つの目的を持って生まれました。 「優しい小説」をネットの世界で「繁殖」させることです。 「優しい小説」とは何か?「優しい小説」には目的があります。 日々厳しい現実と闘われている人々の心に、 ほ…