ギリシャ神話はお好きですか?

ギリシャ神話で、好きな登場人物はいますか?
私は、断然プロメテウスが好きです。
 
え?知りませんか?
じゃあ、紹介しましょう。
 
いつものようにウィキペディアこちら
 
プロメテウスとは何者なのか。
ギリシャ神話において、彼は人類を創った神とされています。
ギリシャ神話の最高神はゼウスですが、ゼウスが人類を創った訳ではないのです。
 
さて、ある時彼はゼウスの怒りを買ってしまいます。
何故か?
それは、人類に天界から「火」を伝えたからです。
「火」だけでなく、プロメテウスは人類に、
数、建築、気象、文字などの知恵も伝えたとされています。
しかし、その行いに怒ったゼウスは、
プロメテウスをカウカソス山の山頂に張りつけ、
生きながらにして毎日肝臓をハゲタカについばまれる責め苦を与えました。
プロメテウスは不死身であったため、その拷問は半永久的に続きました。
プロメテウスとは、「プロ(先に)+メテウス(考える者)」で先見の明を持つ者。
人類に「火」を伝えたら彼の身にどのようなことが起こるか、彼は既に知っていました。
しかし愛する人類のために、彼はあえて天界の「火」を手に取ったのです。
 
後に、彼は人類の英雄ヘラクレスによって解放されることとなります。
 
また、あの「パンドラの箱」にもプロメテウスは登場します。
プロメテウスが天界から「火」を盗んで人類に与えたことに怒ったゼウスは、
地上に災いをもたらすために、
パンドラという女性をプロメテウスの弟のエピメテウスの元に送り込みました。
兄のプロメテウスから「ゼウスからの贈り物は絶対に受け取るな」という忠告を
受けていたにもかかわらず、
エピメテウスはパンドラの美しさに魅了され彼女と結婚をします。
ゼウスはパンドラに「好奇心」というものを与えていました。
 
さて、プロメテウスはある黄金の箱を家に残していました。
「この箱だけは絶対に開けてはならない」と
エピメテウスはプロメテウスに言われていたのですが、
ある日、パンドラが「好奇心」に負けて禁断の箱を開けてしまうのです。
 
パンドラの箱からは、ありとあらゆる様々な厄災が飛び出しました。
「悪」「病気」「戦争」「災害」「暴力」「嫉妬」・・・etc.
実はこの箱、プロメテウスがこの世のあらゆる悪を閉じ込め
人間の世界にそれらが行かないようにしていたものだったのです。
慌てて箱を閉めたパンドラ。
時既に遅し。
箱の中の最後の1つを除いた全ての厄災が外の世界に解き放たれてしまったのでした。
すると、箱の中から彼女に話しかける声がありました。
「わたしも外に出してください」
お前は誰だと尋ねると、「私は希望です」という返事が返ってきたそうです。
こうして、人類はどんなにひどい環境の中においても
希望を持って生きていくことができるようになったのです。
 
実はこの「希望」、プロメテウスがもしもの時のために
箱に忍ばせていたとも言われています。
 
 
という訳で、人類の大いなる味方。プロメテウス。
彼の崇高な精神に魅了された芸術家は多く存在し、
後世の多くの詩や絵画に彼が登場することになるのです。
 
弱肉強食等、世界の無慈悲さや理不尽さを表すゼウス。
ゼウスの絶大な力にも恐れず対抗する存在として登場したプロメテウス。
 
人類が幸せになるためには、
社会の大きな流れにも恐れずに弱い人々のために己の信念で立ち向かっていく
プロメテウスのような人々が必要なのかもしれません。
 
チュニジアでエジプトでカタールでイエメンで、そしてリビアや中国でも。
今、多くのプロメテウス達が強大なゼウスに立ち向かい始めています。
また一方、ソーシャルビジネスという知恵を使い、
貧困等、パンドラの箱から解き放たれた厄災に立ち向かっているプロメテウス達も
数多くこの世界に出現しています。
 
人類は今もプロメテウスが残してくれた「希望」を胸に、
無慈悲で理不尽なこの世界に立ち向かっているのです。