「ネコジャラシ」の正体

ネコジャラシ」という雑草は、ご存じですね?
家を出て1分も歩けば遭遇できるくらい、この雑草はいたるところに生えています。
 

 
その繁殖力は驚くほど強く、
私の住居の隣がある日空き地になったのですが、
気づいたら「ネコジャラシ」の群生地になっていました。
あっと言う間です。
多分2週間ぐらいで、その空き地は「ネコジャラシ」に占領されていたと思います。
 
さてこの「ネコジャラシ」。
正式名称を「エノコログサ」と言います。
ウィキペディアは、こちら
 
エノコログサ」の由来は、「犬っころ」から来ています。
夏から秋にかけてつける花穂が、犬の尾に似ていることから「犬っころ草」。
漢字でも、狗尾草と書きます。
ちなみに英語では、「Foxtail grass」なのだそうです。
狐の尻尾ですから、日本と同じような感覚で命名されていますね。
 
さて「エノコログサ」は、粟の原種です。
実はこの草は縄文時代前半まではなく、
日本には粟作とともにアワの雑草として伝わったものと推測されています。
 
粟の原種なので、食用になるそうです。
近代以前の農村では、
飢饉の際にカラスムギ(麦の原種)などと共にこれを食用としたこともありました。
(カラスムギについては、過去ブログで紹介しています)
 
エノコログサ」は、日当たりの良いところならどこでも生えているイメージです。
アスファルトの隙間から何本もの「エノコログサ」が生えているのを見ると、
私なんかは、その生命力に見とれてしまいます。
アレロパシー物質という毒物を地中に分泌するとの報告もあるようで、
他の雑草を押しのけて空き地一面に群生するのも、納得です。
 
しかし、そんな彼らは1年草。
あの目立つ穂(花)は、6〜9月限定です。
 
こんなに元気いっぱいに存在感を出している彼らが、
もうすぐいなくなってしまうと考えると少し寂しいような気がします。
 
時の巡りは、全ての生命に平等に流れているのですね。
時の巡りに流されることがわかっているから、生命は日々一生懸命に生きています。