台湾からの援助、その後


 
東日本大震災に対する台湾からの義捐金や援助について、
このブログで何回か取り上げさせていただきました。
義捐金の額では、台湾が国としては最も多くの義捐金を日本に送って頂いたこと。
また、政府が援助への感謝の広告を各国の新聞に掲載したが、
中国共産党に配慮してか、
一番多くの義捐金を出して頂いた台湾には政府は広告を出さなかったこと、
などをブログに書かせて頂きました。
 
さて、今日はこれらの出来事の後日談をご紹介したいと思います。
 
まず、以下の産経ニュースの記事によると、
台湾からの義捐金は4月27日づけで157億円もの大きな金額になったとのことです。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110503/chn11050318070001-n1.htm
 
そしてこの記事では、
政府が台湾への謝意の広告を出さなかったことを受け、
「日本人として台湾に謝意を伝えたい」と、
草の根の活動が起こったことを伝えています。
 
ある女性デザイナーがツイッターなどを通じて、
台湾に謝意を伝えたい気持ちを持つ人々でお金を出し合って、
台湾の新聞に日本人の感謝の広告を出そうと提案したのです。
約240万円の広告掲載料を捻出するため、
1口千円の募金をツイッターなどを通じて呼び掛けました。
 
そうしたところ、なんと1900万円以上が集まったそうです。
参加した人数は実に6,000人。
(差額は被災地へ義援金として送られるとのことでした)
 
この人数、この金額が集まった背景には、
ソーシャルメディアの力があります。
ツイッター、ブログ、2チャンネル。
 
ソーシャルメディアは、中東では革命を起こし、
日本では、政府の代わりに民衆が一国の外交を行う力を与えました。
 
思えば、今回の震災では、
義捐金の他にもたくさんの暖かい贈り物を頂きました。
気づいていましたか?
ツイッターやユーチューブで、世界中から暖かい心が伝えられていたことを。
今までにないことが起こっています。
インドからは日本への祈りが、台湾からは小学生からの応援が、
アメリカからは心温まるメッセージが、カンボジアから学校をあげてのエールが。
そして、個人が家族で撮った暖かな応援ビデオもありました。
世界共通のツイッターの合言葉は「Pray for Japan」。
私はYouTubeを少し検索しましたが、
溢れるほどの世界からの応援メッセージにとても驚きました。
その中には、まだお礼のコメントが記載されていないものも多くありましたので、
もしよかったら、一つでも二つでも英語等でお礼のコメントをつけてみて欲しいと思います。
 
私はこれまでの流れを見るにつけ、
ソーシャルメディアの出現により、世界は大きく変わると考えています。
これからは、トップダウンから草の根の時代になります。
日本や多くの国では、
既にトップダウンによる国のあり方では無理があることが露呈しています。
政府が「善」であることは不可能です。
金や権力が集まるところに、「善」なる人のみが集まる訳がないからです。
 
例えば、今回日本政府が台湾に謝意の広告を出さなかったこと。
既に国民の心から、かけ離れたところに政府がある証左です。
 
政府は、最善の道を選べない。むしろ、悪い道に行くことの方が多いと思われます。
また、今回の原発の事故により、政府の能力に対する信頼も大きく崩れました。
そうしたところに、ソーシャルメディアを通じた草の根の力が発揮されるのです。
中東のように政府を倒すことだけが力の発揮方法ではありません。
今回の日本のように、草の根の個人の力を集結して
政府ができないことを代わりにやってしまうという発揮方法だってある訳です。
また、政府の代わりに「善」を成すソーシャルビジネスも
今後ますますその役割を大きくしていくでしょう。
 
繰り返しますが、これからはソーシャルメディアが世界を変えます。
だいたい、中東で革命が起こることなど誰が想像したでしょうか?
私は、ソーシャルメディアとソーシャルビジネスが変えるこの世界の行く末を
とても楽しみにしています。
 
最後に、今回の日本人の草の根による謝意の広告掲載が、
台湾のニュースで大きく取り上げられましたので、紹介します。
(以下の動画をご覧下さい)
今回の日本人有志6,000人の行動は、
政府が行う外交よりも大きな外交成果をあげたようです。