日本の仏教界に新しいムーブメント

今日は「THE BIG ISSUE」の記事から、情報を一つ。
 
「THE BIG ISSUE」とは、
ホームレスの方の仕事をつくり自立を応援する雑誌です。
駅前などで、ホームレスの方が販売を行っているのを見たことがないですか?
1冊300円の雑誌で、購入すると160円が販売者の方の収入となります。
 
雑誌の内容も、私のような人生を探求している人には価値ある記事が多く掲載されています。
電車の中吊り広告にあるような他人の情報満載のゴシップ雑誌ではなく、
自身の価値観と向き合うことに主眼を置いた記事が多い雑誌なのです。
よかったら、一度購入してみてください。
私は、自分の価値観に響く「THE BIG ISSUE」の記事が好きです。
 
で、今回は「THE BIG ISSUE」の6月1日号より、
若いお坊さんが、お寺を社会的インフラとして活用し、
新しい公共の場として社会に提供しようと活動されているお話しを紹介します。
 
お寺というと、日本では葬式や法事の時にしか用がないというイメージがあります。
単なるイベントの場所ですね。
しかし、例えばインドやアメリカのような伝統的な宗教が根強い国々では、
寺院や教会は、社会において人々に居場所や心の問題の解決を提供する機能を果たしています。
 
心の悩みを相談できる場所が有料の心療内科のみとなってしまっている日本において、
お寺の新たなあり方を模索する若いお坊さん達の活動が「THE BIG ISSUE」で紹介されていました。
例えば、超宗派仏教徒によるインターネット寺院を展開している松本圭介さん。
インドでMBAを学ばれた松本さんは、
仏教の教義よりもベネフィットを重視して、お寺を活用できないかと考え、
お寺カフェ「神谷町オープンテラス」を企画されました。
今の日本には存在しないパブリックとプライベートの中間の人々のための居場所。
その一つの答えが「お寺カフェ」だったのです。
カフェという形式なので来訪した人は自分自身の距離のとり方でお寺と接することができます。
現代の日本人には丁度よい居心地感なのかもしれません。
 
今の現代社会において、
心が弱った人が頼れる受け皿は意外に多くありません。
親類や友人に相談できない人は、
安くはないお金を払ってカウンセリングや心療内科を受けるしかないでしょう。
もしくは、新興宗教でしょうね。
悲しいことに、心が弱った人は新興宗教に絡め獲られ食い物にされてしまうことも多い。
 
そうした現状の日本に、今一度「お寺」を機能させようとする試みとして、
松本さんのような志のある若いお坊さん達が、頑張っている訳です。
宗教というと日本人にはアレルギーを持つ人も少なくありませんが、
今回の記事を読んだ私には、
社会に不足するものを真摯に提供しようとする本当に真面目な取り組みだと感じられました。
 
今の日本社会に欠けているのは、「心」に関すること。
今回ご紹介したような、
社会に少しでもよいものを提供しようという動きがいろいろと出てきて、
人々の「心」の拠り所、コミュニティの場がたくさん誕生することを祈っています。
 
1日100人の自殺者が出てしまう日本。
自殺者の予備軍は何万人?何十万人?何百万人?
私は、今回の松本さんのように
「心」に真摯に取り組むソーシャルな活動を展開される方々を是非応援したいと思います。
 
今度、機会があったら東京の神谷町の「お寺カフェ」に行ってみようかな。
その時は、またブログでレポートをします。