「エクセル検定」と「そろばん塾」

最近、テレビで「エクセル男子」や「パワポ部長」というキャラクターが登場する
資格検定のCMを観た方はいらっしゃいますか?
 
あそこに出てくる「エクセル男子」を見るたびに私は違和感を覚えます。
なぜなら、私も「エクセル男子」だからです。
資格こそ持っていませんが、
エクセルの扱いで私の右に出る人と出会ったことは、今までありません。
 
エクセルを使いこなしているとわかりますが、
「エクセル男子」のイメージは、あんな熱血ではなく、
必要とされるデータをグラフ等も活用して
パシッと見やすい形で加工して提出するスマートな感じです。
後は、関数等を駆使して定型のフォーマットを用意しておけば、
毎月の決算報告業務等の作業量を節約できたりするので、これもスマートな感じです。
 
ですから、「エクセル男子」を表す表現としては、
上司にグラフ等も多用した分析内容の優れた報告資料を提出する場面とか、
エクセルの定型フォーマットを作成して部下をルーティン業務から解放する場面とか、
がよいのではないかなぁと思ったりします。
 
エクセルというソフトは本当に素晴らしいですよ。
私は、エクセルを愛しています。
しかし、あのCMの「エクセル男子」の表現では、
エクセルの素晴らしさが1ミリたりとも表せていないと思う次第です。
 
エクセルの素晴らしさの源泉は、豊富な関数とグラフ機能にあると思います。
マクロを覚えるまでもなく、関数をある程度使いこなせれば多くのことができます。
例えば、事業計画等の各種シミュレーションとか、定型業務の簡素化が図れたりします。
また、グラフ機能は最初とっつきにくいですが、
扱えるようになると、こんな素晴らしいものはないです。
上司に報告する際に、グラフがあるのとないのとでは説得力に雲泥の差が出ると思います。
 
エクセルは、実践の中で必要に迫られて徐々に覚えていくやり方でも十分に力がつきます。
ただ、グラフは自主的に覚えた方がよいかもしれませんね。
グラフを資料に追加すれば、上司から求められた以上の価値ある報告ができますし、
グラフで見て、初めて見えてくる分析内容というのもあります。
 
昔の「読み・書き・そろばん」は、
現在「ワード・パワポ・エクセル」に置き換えられてきています。
私は子どもの頃「そろばん塾」に通っていましたが、
「そろばん塾」で訓練することは、指と頭を駆使して素早く正確に計算結果を出すことです。
子どものころの私は、これで結構頭を鍛えられたと思っています。
しかし現在の日本では、
「そろばん塾」のような子ども達の脳トレーニングの場がありません。
そこで、「そろばん塾」のノリで
関数を使って時間内に表を完成させる小問題をいくつも解いていくエクセル塾とか、
プログラム言語を使って時間内に要望に沿ったプログラムを作成するプログラム塾とか、
そういう形の子供向けの塾があると
日本の情報系技術力の底力をアップできるのではと思います。
 
「エクセル男子」も必要だと思いますが、
エクセルやプログラムは子どもでも十分に楽しく挑戦できるものなので、
「エクセル小学生」や「プログラム小学生」こそが、
今の日本に必要なのかもしれないなぁと思ったりしています。
それから、「書道教室」の代わりに「パワポ教室」もよいかもしれません。
スティーブ・ジョブズが日本の「禅」を参考にして伝説のプレゼンを行っていますが、
小学生がお題をパワポで表現して、その芸術性を評価するというのも面白そうです。
習字の代わりに、個性的なパワポの資料が教室の後ろに貼り出されるみたいな感じ。
 
マイクロソフトさん、どうでしょうか?
昔の日本の「そろばん塾」を参考に子どものための検定を用意するのは?
きっとレベルは、大人向けの検定から下げる必要はないはずです。
それどころか、頭の回転を早めることもできる資格として
時間内にたくさんの問題を解かせる難易度が必要になるかと思っています。
 
今の親の世代は「そろばん塾」に行っていた人も多い。
だから、一見学校の勉強と関係ない「そろばん塾」の価値を知る人も多いのです。
ポスト「そろばん塾」の座を狙うなら、今のうちなんですけどね。