「レコーディング」と「過補償」

レコーディング・ダイエット」って知っていますか?
岡田斗司夫さんのベストセラー「いつまでもデブと思うなよ」で紹介されている
「ダイエット」法です。
 
レコーディング・ダイエット」では、
日々の体重や体脂肪、1日に食べた食事や食事のカロリー等
「ダイエット」に関して記録できるものは全て記録します。
記録することで、無意識に摂っていた間食などが意識可能となり、
本能ではなく意思で自分をコントロールできるようになる訳です。
また「レコーディング」の効能は、もう一つあります。
オンタイムに成果が「見える化」することで、「努力」を楽しめるのです。
 
私も「努力」に対して、「レコーディング」を取り入れています。
まあ、実施しているのは今のところ、
「万歩計による歩数計測」と「皇居ラン後の体重測定」と「todo帳」ぐらいですが。
しかし、効果は結構あります。
 
例えば、「お得感」倍増。
「皇居ラン」をしないと、1日はどんなに頑張っても8,000歩ぐらいで終わります。
しかし、「皇居ラン」すると、まず朝の皇居ランで8,000歩超をたたき出せるのです。
そして、会社につくころには10,000歩、1日の終わりには17,000歩にも到達します。
どうですか?「皇居ラン」ってお得でしょ?
いくら「本能」が「皇居ラン」することに「いやいや」をしても、
この動かぬ実証があるので、私は意思の力で朝ランニングウェアを着ることができる訳です。
 
それから、「達成感」倍増も「レコーディング」の魅力。
「todo帳」の1日の予定の項目を実施して消していく「達成感」。
そして、1日の終わりに「todo帳」を開くと、
消された項目の数で、今日も自分が頑張ったことを強く実感できるのです。
 
そして、ゲーム感覚の「楽しさ」倍増。
朝「皇居ラン」を終えてシャワーを浴び体重計に乗ります。
すると、体重が減っている日もあれば、ほとんど変わっていない日もある。
ほとんど体重が変わっていないと、普通はめげるかもしれませんが、
体重が減る日があるのも知っているので、翌日も楽しく「皇居ラン」できます。
「todo帳」の項目を半分しか達成できなかった日にも、
ほとんど達成できる日もあることを知っているので、
あまりめげずに、「なんでだろう?」とゲーム感覚で分析しながら帰路につく訳です。
 
私は、「努力」と「レコーディング」は「鬼に金棒」というくらい相性がよいと実感しています。
特に、「努力」が苦手な人が「努力」するときに、
「レコーディング」は最高のパートナーとなります。
それは、「レコーディング」というツールが
心理学で言うところの「過補償」を「よい方向」に活用できる力を持っているからです。
 
例えば、勉強ができない劣等感から精神を防衛するために、
スポーツを頑張って伸ばしその劣等感を補おうとする心の動きを「補償」と言います。
「補償」自体は、多かれ少なかれ誰もが実施している一般的な行為です。
そして、「過補償」とは「補償」の行き過ぎた状態。
「強い葛藤」から解放されるために、強迫的に何かに熱中する心の激しい動きです。
 
この「過補償」、心理学的にはバランスの悪いあまりよろしくない状態とされています。
しかし、世の中で何かを成し遂げている人の中には、
この「過補償」の効果で素晴らしい実績をあげている人も少なくないのです。
 
「過補償」を活用すると、
ある苦手な物事に無我夢中に取り組み努力し、
逆に誰にも負けない得意分野にすることもできます。
「劣等感」から解放される喜びが、
必要以上の「努力」をするパワーの源泉となるのです。
 
ですから、「努力」をできない人が、
「強い葛藤」から「努力」することを決心したとき、
信じられないような「努力」をすることが可能となります。
 
「努力」をできない人々の方が、常人よりも
あり得ない「努力」をできる資質を持っているということを知るべきです。
しかし「補償」や「過補償」は、強い衝動をもたらす反面、
挫折もしやすいもろさを持っています。
そこで、「レコーディング」で、その弱点を補い、
「以前の自分から変わろう」という強い気持ちをサポートしてあげることが有効です。
 
冒頭で紹介した「いつまでもデブと思うなよ」という書籍のタイトル。
これこそが「過補償」だとは思いませんか?
「レコーディング」こそが「過補償」の強力な武器となるのです。
 
「いつまでもできない人間だと思うなよ」
という気持ちで、私も含め怠惰な人は頑張っていきましょう。
 
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