『あるヒーローの物語』
『あるヒーローの物語』
( ・・・・・・・・・ )
小さな男の子
「あれっ?こんなところにパンが落ちているよ!」
( ぼくは・・・・パン・・ )
男の子の母親
「こら!道に落ちているパンなんて汚いんだから、触っちゃダメよ。」
( ぼくは・・・汚いパン・・ )
道を急ぐ紳士
「誰だ?こんな道のど真ん中にパンを落として。邪魔だなぁ。」
( ぼくは・・・邪魔で汚いパン・・ )
みすぼらしい女の子
「あ、こんなところにパンが落ちている。お兄ちゃん、ちょっと来て!」
みすぼらしい男の子
「どうしたんだい?レイニー。おや?こんなところにパンが・・・」
「まだ温かいぞ!焼き立てのパンだ!!」
( ぼくは・・・邪魔で汚いけど、焼き立てで温かいパン・・ )
レイニー
「うわぁ・・いい匂い!今日は何も食べてないから、嬉しいなぁ!」
「クラウディお兄ちゃん、半分こしよ!」
( ぼくは、邪魔で汚いけど、焼きたててで温かくていい匂いのパン・・ )
クラウディ
「お兄ちゃんは、お腹がすいていないから、レイニーが全部食べなよ。」
レイニー
「お兄ちゃんの嘘つき!ほら、半分こにするよ!」
「あ!アンパンだよ!!甘くて美味しそう!」
( 僕は、焼きたててで温かくていい匂いで甘くて美味しそうなアンパン・・ )
レイニー
「あ!すごい美味しいね!お兄ちゃん!!」
クラウディ
「本当だね!レイニー。こんなに美味しいアンパンを食べたのは生まれて初めてだよ。」
レイニー
「神様、こんなに甘くて美味しいアンパンをありがとうございます。感謝いたします・・・」
( 神様、とても嬉しいです。心より感謝いたします。
できれば、またこの世に生まれ変わって、
この兄妹のようにお腹のすいている子どもたちに僕を食べて欲しいです。 )