優しい小説

『大人になってアンパンマンを卒業したあなたへ』

『大人になってアンパンマンを卒業したあなたへ』(優しい小説) こんにちは。 もう君は大人になったかな? もし、大人になったって言うのなら、 あなたに大事なメッセージがあるの。 それは、アンパンマンについてのお話よ。 あなたは、アンパンマンの存在…

『あるヒーローの物語』

『あるヒーローの物語』 ( ・・・・・・・・・ ) 小さな男の子 「あれっ?こんなところにパンが落ちているよ!」 ( ぼくは・・・・パン・・ ) 男の子の母親 「こら!道に落ちているパンなんて汚いんだから、触っちゃダメよ。」 ( ぼくは・・・汚いパン…

『今宵ピエロは笑って跳んだ』

『今宵ピエロは笑って跳んだ』 ピエロは今日もにっこりと笑っていた。 そして、たくさんの人に笑われた。 笑って笑わせるのが、ピエロの仕事。 今日、彼は娘さんに恋をした。 大きな町に移動する途中の小さな村。 村の広場に作られたテントの中で、 その娘さ…

『生命の唄』

小説を発表します。 1月28日のブログで描きたいと言っていたテーマです。 あれから、3ヶ月以上経過しましたが 少しずつ携帯に、この小説を書き溜めていました。 お陰さまで、このブログも1万アクセスを達成しました。 記念という訳ではないのですが、ようや…

『人面犬2006』

『人面犬2006』 人面犬と出会った。真昼間から。 「やぁ」人面犬は出会いがしらに俺に話しかけてきた。 「暑いねぇ・・」人面犬は長い舌をハァハァしながら、 まぶしそうに俺を見上げる。 その時、俺はどうしたか分かるか? どうもしなかった。固まっていた…

『消えます』

『消えます』 俺は今日消えます。 ずっと彼女のことを見ていました。 だけど、彼女は俺に気づかない。 だから消えます。 私は今日何か大切なものを失うらしい。 占い師が言っていました。 だけど、一体何を失うのか分からない。 だからとても不安です。 彼女…

『天使のみぃちゃん』

『天使のみぃちゃん』 みぃちゃんはお母さんが大好きだ。 今、お母さんには好きな男の人がいる。 「みぃちゃん、今日はお行儀よくしててね」 お母さんは今日たくさんお化粧をしている。 あの男の人が来るんだ。 みぃちゃんはあの男の人が好きじゃない。 だけ…

『鬼子母神』

『鬼子母神』 「鬼は本当におるんよ」 ある日、お婆ちゃんは私に言った。 私がまだ6歳の時の話だ。 「うそだ〜♪」 ませていた私は鬼もサンタクロースもいないことを既に知っていた。 お婆ちゃんはニコニコして私の頭を撫でてくれた。 あれから、20年。 お婆…

『虹の彼方に』

『虹の彼方に』 俺は心の無いブリキの木こり。 そして、そこの痩せている少年は脳の無いかかし。 あと、向こうにいる大柄の中年男性が臆病なライオンだ。 それぞれ、「ブリキ」「カカシ」「ライオン」と呼び合っている。 「ブリキの木こりさん、どうか私と一…

『死にたい・・』

『死にたい・・』 「死にたい・・」 これが今現在の俺の口癖だ。 人生のレールを踏み外してからの俺の口癖。 俺の心には、その言葉が充満している。 街を歩いていても、何かのきっかけでその言葉を呟く。 周りの人間が訝しげに俺を眺める。 今まで、俺は当然…

『優しい唄歌い』

『優しい唄歌い』 優しい唄歌いがおりました。 彼はとても美しくて優しい唄を歌います。 彼の唄を聴くために、多くの聴衆が集まります。 町の名士も彼の優しい唄をたいそう気に入り、 彼を家に招きいれ、彼に何の不自由もない生活を与えました。 ある日、彼…