「モヤモヤ」したら放置しない

私の今までの経験から申し上げると、
人の心は、人間関係(もしくは他の生き物との関係)から成長します。
無生物との関係から成長することは、まずないと言えるでしょう。
 
では、どのような関係が生じると人の心は成長するのか?
一つは「愛情」。もう一つは「対立」です。
例えば「愛情」によって、
子ども等の他者に無償で自分を「与える」ことで、様々な気づきを得ることができます。
「愛情」は、その対象を好意的に見ているがゆえに、
気づきを自主的に受け入れ、成長しやすいきっかけとなるはずです。
 
一方の「対立」はどうか?
まずこれは、「愛情」よりも高い頻度で発生しています。
ぶつかるような激しい「対立」は、滅多にないかもしれませんが、
他者との関係の中で「モヤモヤ」することは、日常的に結構あるのではないでしょうか?
「モヤモヤ」しているということは、
ヘーゲル弁証法」で言うところの「テーゼ」と「アンチテーゼ」が
対立している状態であると言えます。
こういう時こそ、
その対立を統合して「ジンテーゼ(果実)」を産み出し、成長を図るべきなのです。
ヘーゲル弁証法については、過去ブログをどうぞ。
 「いいね!」を3つ頂いており、わかりやすい説明になっております。)
 
しかし、「対立」は必ずしも心地よい状態ではないため、
通常は、そこに思考をフォーカスすることはしません。
よっぽど深刻な問題を伴っていたら、「悩む」という段階に移行しますけど、
通常は一日寝たら忘れてしまいます。
せっかくの成長のチャンスがもったいないですよね。
 
そこで、1日の締めくくりに、「自分」と対話をして、
 「モヤモヤ」の原因となっている「テーゼ」と「アンチテーゼ」は何なのか?
 どうしたら、「テーゼ」を殺さずに「アンチテーゼ」を受容することができるのか?
というところまで仮説を立てて成長への気づきとすることは、とても有効だと思います。
 
でも「自分」と対話するって、どうすればいいのでしょうか?
まず、素顔の「自分」と対話をしなければ意味がありません。
ですので、心が外界向けにつけている「ペルソナ(仮面)」を外します。
「ペルソナ」を外すので、一人でいるときにしか自分との対話は不可能です。
(「ペルソナ」については、こちらの過去ブログをどうぞ)
 
素顔の「自分」と対話するには、独り言のように交互に話してもよいのですが、
それでは、とても怪しい人になってしまいます(笑)。
通常は、素顔の「自分」を文字と言う形で、
紙面やパソコンのディスプレイに書き出します。
ところで、書き出すという行為の最中に、
「書いた言葉を繰り返し頭の中で読んでいる」という事実に気づいていますか?
何度も頭の中で読んで、「次の言葉」を紡いでいる訳です。
ですから、「次の言葉」というのは、
素顔の自分と何度も対話して出現した「結論」に向かう「言葉」であると言えます。
 
そして、「自分」と対話するなら、私のオススメは匿名のブログです。
匿名だから、もちろん「ペルソナ」を外した状態で文章を書くことができます。
それでいて、
自分と同じ悩みを持つ人に向けて発信する、心を込めた文章。
そして、「考察」の「結論」を一生懸命わかりやすく誰かに伝えようとする文章。
これはそのまま、素顔の「自分」から「自分」宛ての
わかりやすい解説付きのメッセージにもなり得る訳です。
 
素顔の「自分」と対話をするために日記やブログを書くという行為は、
鏡を見る行為に似ています。
できれば、毎日鏡を見て、自分の素顔をチェックすべきです。
 青白い顔をしていませんか?
 怒っていませんか?
 泣いていませんか?
 寂しがっていませんか?
 笑顔を忘れていませんか?
もちろん「ペルソナ」をつけたまま、鏡を見ても意味がありませんよ。
1日1回、しっかりと「ペルソナ」を外して、心の深呼吸をして、
「自分」の中から、成長の気づきを見つけ出してみましょう。
 
そして、「自分」を真に護れるのは「自分」だけということに気づいてください。
あなたは、素顔の「自分」をちゃんと抱きしめてあげていますか?
 
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