「年末ジャンボ宝くじ」と「マッチ売りの少女」

今年の「年末ジャンボ宝くじ」の1等は、前後賞合わせて6億円だそうですね。
皆さんは購入されましたか?
私も今年は10枚購入しました。
 
しかし、宝くじというのはなかなか当たらないものです。
以前もブログで紹介しましたが、
宝くじシミュレータ」というWebページでは、
はたしてどのくらい当たらないのか実感することができます。
私はこのシミュレータで70万円投資して、ようやく4等10万円を当てることができました。
 
ウィキペディアによると、
300円の宝くじ1枚の期待当選金額は140円から150円なのだそうです。
 
具体的に数字で内訳を記載すると、
宝くじの購入額のうち、45.8%が当選者に、14.4%が経費として発行元のみずほ銀行に、
そして残りの39.8%が地方自治体に納められます。
 
2011年の宝くじの総売上は2,100億円だそうですので、
およそ302億円がみずほ銀行に入っているようです。
毎年このぐらいの金額が入ってくるのであれば、
あんな豪華なCMを毎回打てるのも理解できます。
 
さて、当たることのない宝くじですが、
宝くじを買った人には一つの特権が与えられます。
それは、「夢」を見ること。
私も今年は宝くじを10枚買って、
「6億円当たったらどうしよう?」という想像を楽しむことができました。
私の6億円当選のあかつきの「夢」は、
ソーシャルビジネスを立ち上げて世の中に「幸せ」を提供することです。
後は、規則正しい生活を楽しめるような時間的余裕も欲しいと思います。
 
そんな「幸せ」な「夢」を見ているうちに、
私はふと「マッチ売りの少女」のお話を思い出しました。
(「マッチ売りの少女」のウィキペディアこちらです。)
ちょうど「マッチ売りの少女」の舞台も大晦日
今日のような寒い夜の街で、「マッチ売りの少女」はマッチを売り歩きます。
マッチを全て売らないと、父親に怒られる。
彼女は道行く人々にマッチを買ってくれるよう声をかけますが、
人々は少女に目もくれず通り過ぎていきます。
 
夜も更け、少女は少しでも自分を暖めようとマッチをつけたのでした。
マッチの炎と共に、暖かいストーブや七面鳥などのご馳走、
飾られたクリスマスツリーの幻影などが一つ一つと現れ、
炎が消えると同時に消えていきます。
最後に彼女は大好きだった祖母の幻影を炎の中に見て、
そして祖母に優しく抱きしめられながら天国へと昇っていったのです。
 
私は、子どもの頃に読んだこの「マッチ売りの少女」のお話を、
とても悲しく残酷なお話として記憶に留めていました。
しかし大人になった今、改めてあらすじを追って、
私の心の中に去来したものは、少しだけホッとしたような気持ちです。
もしかしたら、彼女は最後に「幸せ」になれたのかもしれないという安堵。
 
そして考えるのです。
はたして「マッチ売りの少女」の可哀想な境遇は、私たち現代人には他人事なのか?
 
人々自身のエゴが「苦しみ」のイバラとなり、
人々自身を救いの見つからない迷いの道にいざなっている。そんな世の中。
「年末ジャンボ宝くじ」を買って見る「夢」は確かに幻影かもしれないけど、
その幻影は、凍えている人々の「心」を本当に暖めているのだと思います。
 
とかく、この世界は寒すぎるのです。
皆の力で、何とかして暖かい「幸せ」な社会を構築していきたい。
私はそんな「夢」を今日も夢想して、ブログというマッチに火を灯します。
 

 
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