「選挙」と「日本丸」

今週末の12月16日(日)は、衆議院選挙ですね。
 
どこの政党が、あるいは誰が、
今後の日本を引っ張っていくと皆さんは予想しますか?
とても気になるところです。
一見関連性がないように見えても、
やはり為政者の政策は、じわじわと私たちの「生活」にも影響を与えます。
 
しかしながら、昨今の投票率は若い世代を中心にあまり高くないようです。
ニュース雑誌の「AERA」によると、
前回の衆院選の投票者の平均年齢はなんと57歳とのこと。
 
あらま、若い人達はあまり選挙に行っていないのでしょうか?
実際に年齢別の投票率を見ると、
60〜64歳が83.36%であるのに対して20〜24歳が46.66%となっています。
第45回衆議院総選挙年齢別投票率
 
年齢が若いほど、
「社会」がどうであれ自分の力で何とかやっていけるという万能感があるのかな。
25〜29歳が52.13%、30〜34歳でようやく61.15%です。
35〜39歳で3分の2の66.29%と、年齢と共に投票率は上昇します。
 
20代で50%近辺、30代になって大きく上昇しますから、
日本人の社会的成熟年齢は30歳あたりなのかもしれません。
「投票」を社会的義務として個人の都合よりも優先できるようになると、
そこに自身が「社会」に所属し生きているという自覚がある証拠になる訳です。
 
さて、選挙の結果は私たちの「生活」に直結する訳ですが、
自分達の「生活」維持もしくは改善の他に、
もう一つ大きな「投票」の動機があります。
それは、「日本」という国体への意識。
 
昨今は、中韓北朝鮮が国民を刺激してくれるお陰で、
「日本」という国体への意識が若干高まってきています。
また、311の原発の事故も大きなターニングポイントとなっているでしょう。
 
今回の選挙では、きっと前回よりも投票率は上昇すると思います。
私は、偏狭なナショナリズムであれ過度な平和主義であれ、
「日本」という国体への意識と関心が高まることは大歓迎です。
私は、「思考停止」こそが最も陥ってはいけない状態だと考えます。
国民の「思考」が動き出せば議論は活性化し、
それぞれがこの巨大船舶「日本丸」をどこに動かしたいか思いを巡らせる。
そうなってようやく、
選挙制度を持たない一党独裁国家に勝るパフォーマンスを発揮できるのです。
そういった思想ですので、
「宗教」という「思考停止」された状態で個々人が投票するような政党はあまり好みません。
平和主義者でも差別主義者でも保守主義でも改革主義者でも何でもいい。
日本国民には、自分自身の頭で考え悩み選択して投票して欲しいと切に願います。
 
ところで私は、今年の元旦に「知覧特攻平和会館」に行ってきました。
(過去ブログ:「知覧特攻平和会館」、「日本という国は今存在するのか?」、
          「勝手ながら背負わせて頂きます。」)
神風特攻隊として否応なく命を差し出された人々の遺書等を展示した施設です。
まだ行かれたことがない方は、是非一度行ってみることをお勧めします。
我々が乗っている「日本丸」とは何なのか、
各人の中で様々な「思考」が強烈に迫られるでしょう。
 
日本丸」を最も強く意識したのは、
外国から「日本」が滅ぼされるかもしれないという悲壮な危機感を持っていた
特攻隊の若い兵士達なのではないかと、私は思いました。
空襲で家族や仲間や街を焼き尽くすアメリカという存在があり、
「日本」が戦争に負けたら家族や日本人がどんな目に遭うか、
恐ろしい想像しか出てこないような状況。
 
そんな状況であったからこそ、
彼らは最も大切な自分の命を差し出したのかもしれないなと感じた次第です。
特攻隊で亡くなられた彼らは高い学歴の方も多く、考えることも苦手ではありません。
現に残された文書を見ると、
ここまで「世界」について考えていたのかと、うならされるものもありました。
(過去ブログ:「勝手ながら背負わせて頂きます。」)
 
特攻隊の彼らは、
自分達が「命」を差し出して護る「日本」の未来を信じて飛び立ちました。
彼らが今の「日本」を見てどう思うのだろう?と私は時々考えるのです。
もちろん、世界でも有数の先進国になり豊かな生活ができるようになったことには
彼らも喜んでくれるのかなと夢想します。
しかし、それを成し遂げたのは、
特攻隊の彼らと同じく戦争を体験して「日本丸」という船を強く意識した世代。
世界に誇る「本田宗一郎」「松下幸之助」「白州次郎」のような人々。
 
しかしその後の日本は、戦争を知らない団塊の世代にバトンタッチされ、
社会全体の「日本」という意識が弱まり、
代わりに「私利私欲」に奔走する人々が台頭してきました。
政治家や官僚にも「私利私欲」を追い求める者が多くなり、
社会全体が「日本丸」を放置し始めたのです。
 
ただこのまま「日本丸」が「私利私欲」のクルーによって
タイタニックのように沈没するとは、私は思っていません。
再び「日本丸」に一つの潮目が来ていると感じているのです。
 
私は、昨今の新しい世代に注目しています。
「私利私欲」の醜さに嫌気がさし、
自分達で「社会」をよくしようとソーシャルビジネスを立ち上げる若者達。
バブルの頃のようなステレオタイプの物質的価値に囚われることなく、
自身で価値観を持ち様々なコミュニティーに参加して、
自分らしく美しく生きようとする若者達。
311も大きな節目となり、
「日本」は再び変貌を遂げようとしていると、私は感じるのです。
 
私はこれから実現する素敵な「日本」の「未来」を信じて、
12月16日の日曜日に投票に行ってこようと思います。
 
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