創造主は自分を超える者を創れるか

遺伝的アルゴリズム」という、
パソコンを用いた「近似解」を探索する手法があります。
誤解を恐れず簡単に説明すると、
人間の頭脳では太刀打ちできない「問題」に対して、
コンピュータ上に疑似生命を創造し、
彼らの「進化」の結果に、その「解」の探索を委ねる手法です。
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この「進化」は、「世代交代」と「突然変異」と「自然淘汰」によってもたらされます。
やっていることは、実際の生物の「進化」のマネです。
遺伝子をデータで表現した「個体」を複数用意し、彼らに生存競争を行わせます。
そして「問題」に対してより最適な「解」を出す「個体」を「強者」とし、
「弱肉強食」による「自然淘汰」をさせるのです。
彼らは偶発的な「突然変異」を起こしながら「世代交代」を繰り返します。
そうすると「個体」が、
創造者のプログラマーにも予測がつかない最適な「解」に「進化」するのです。
 
これは、衝撃的なことだと私は考えます。
創造されたものが、創造者を越える能力を身につけたことを示すからです。
 
この衝撃の延長線上に、「2045年問題」があります。
驚異的なスピードで進化を続けるコンピューターが、
その爆発的展開力で2045年までには最高の地点に達し、
人間の知能を超えてしまうと言われ、
アメリカ政府、NASAgoogleなどが協力し真剣に研究をしているそうです。
コンピュータが自発的に学習することを覚えたら、
あっと言う間に人間の「知能」なんて抜き去るだろうと、私は考えます。
 
なぜか?
 
コンピュータにあって、人間にないもの。
それは、「速さ」もしくは「時間」です。
 
コンピュータは、計算が得意。
例えば人間には100年かかるようなボリュームの計算を、
コンピュータは一瞬で終えてしまう訳です。
 
であるならば、コンピュータに「学習」させることを覚えさせたら最後、
あっと言う間に人間の「知能」を超える領域に「進化」することも予測されます。
 
もちろん人間という優れた「脳」を持つ「生命」もゆっくりと「進化」していますが、
コンピュータの「進化」のスピードには、どう考えても太刀打ちできない訳です。
 
このコンピュータが一気に「進化」のスピードを指数関数的に速める臨界点が、
2045年だと言われています。
映画マトリックスのように、
コンピュータに人間が管理される時代が来ると言われてもピンと来ないかもしれませんが、
現在のすさまじいコンピュータの発展を見る限り、
私は十分にあり得る未来だと思うのです。
 
創造されたものは、いつか創造主を越える。
であれば、もしかしたら私達にもいつか創造主を越えるタイミングがあるはずです。
ここで言う創造主とは、聖書に出てくる「神」というよりは、
私達を生み出したビッグバンから始まる宇宙の全てを指します。
その創造主を管理する者が私達人類かどうかはわかりませんが、
宇宙の全てを管理・操作する被創造物が現れることは必然であると考える次第です。
 
私達人類のここ数百年の爆発的な「知的進化」のスピードは、
何らかの臨界点を越えているように感じます。
宇宙の何億年単位の活動に対して、私達の「進化」は速すぎるのです。
 
ま、その競争に人類が勝つ前に、
私達が創造したコンピュータが、人類を支配する方が早いかもしれませんが。