トンビにパンをさらわれる

先日、湘南の海沿いを歩いていました。
 
鎌倉から江ノ島に向けて。
 
海がとても綺麗で、
私はどこか座れるところで景色を見ながら、
鎌倉で買ったパンとコーヒー牛乳を楽しもうと考えていました。
 
すると、稲村ヶ崎という海に少し突き出たエリアに、
公園があるのを発見したのです。
海に面したところにベンチがあり、
私はそこに腰を掛けてパンとコーヒー牛乳をほおばりました。
 
すると・・・
トンビと思われる物体が私の目の前をビューっと横切りました。
「もしかして、トンビに狙われている?」と思った瞬間、
背後からトンビにパンを奪われました。
 
もう見事です。
私の手からは、半分も食べていないパンが一瞬で消えてなくなりました。
 
続いて、人差し指に走る痛み。
トンビの爪でつけられた傷から血が流れていました。
 
それからコーヒー牛乳は、
トンビの急襲の衝撃で中身がこぼれてズボンにかかってしまったのです。
 
もう、散々な目に遭いました。
休日の豊かな時間が、台なしです。
パンも結構美味しかったのに・・・。
 
まあ、それでもトンビとの面白い縁があった訳なので、
コンビニで絆創膏を買ってから、
スマホでトンビのことを調べました。
 
トンビは、タカと同じ猛禽類
そして、日本では最も馴染みのある猛禽類でもあります。
トンビが登場する諺も2つあります。
「トンビに油揚げをさらわれる」
「トンビがタカを生む」
 
トンビの鳴き声はご存じですか?
「ピーヒョロヒョロ」と、のどかな鳴き方をします。
 
それから、特徴的なのがトンビのくるくる回っている飛び方。
あれは実は上昇しているときの飛び方です。
羽ばたいていませんが、
上昇気流に上手く乗って、凧の原理で上へ上へとくるくると、昇っていきます。
実に省エネな飛び方ですね。

 
そして彼らは、カラスよりも一回り大きいのですが、
よくカラスと喧嘩しています。
カラスと食べるものが重なっているからです。
 
カラスの方が小さいのですが、
カラスは頭がいいので、カラスの攻撃にトンビが退散することが多いようです。
 
しかしそのトンビよりも、人間の方が頭が悪いかもしれません。
少なくとも私は、まんまとパンを奪われてしまいました。
トンビからしたら「人間なんてちょろい」と思っているかもしれません。
 
パンを奪われたときに感じたのは、
猛禽類に襲われる小動物の恐怖です。
こんな風に来られたら、もうどうしようもないなぁ・・って実感しますよ。
 
もっと大型の猛禽類は、ペットや乳児をさらうこともあるそうです。
「人間が一番賢くて強いんだ」と油断してたら、痛い目を見るかもしれません。
トンビに食べ物をさらわれる際に、腕から血を流す人も多いようです。
ご注意下さい。
 
今回の件で、野生の厳しさを垣間見た私は、
今後トンビが旋回いるところでは、
ゴルゴ13のように壁を背にして食べ物を食べようと心に決めました。
 
人間が一番偉いんだと増長していた私に、
とんびさんが野生の厳しさを少し教えてくれた一日でした。