「雑草」はエリート

「雑草」はエリート、という視点を持ったことがありますか?
 
「雑草」の世界は、特定スペースを誰が取るかの勢力争いの世界です。
そこに人間社会のようなルールや規制は存在しません。
毒物ばらまき有り、よそ様に寄生するのも有り、の
ガチのデスマッチが繰り広げられている訳です。
 
そんな何でもありの環境を制して、そのスペースを勝ち取った「雑草」を、
エリートと言わずに何と言いましょう?
人間様の庇護下にある園芸植物とは実力が違うのです。
彼らは自分の腕っぷしだけで、のし上がりました。
 
現在、私達の目の前に広がっている「雑草」は、
国盗り合戦を制した戦国大名のようなものです。
最近は渡来人も多いですが、
名だたる武将がときの声をあげています。
 
今度、「雑草国盗り物語」なんて本を書いたら売れるでしょうか?
ススキやクズのように、古来から日本にいた「雑草武将」。
ヒメムカシヨモギセイタカアワダチソウのような、
明治の頃に日本に進出してきた古参の外来「雑草武将」。
そして、最近勢力を急拡大しているナガミヒナゲシのような新参の外来「雑草武将」。
これらの「雑草」を戦国小説風に描いたら、案外面白いものができるかもしれません。
 
いずれにしましても、
目の前に生えている「雑草」がエリートであるということはご理解頂けましたでしょうか?
 
以前のブログにも描いていますが、
自ら移動せずに同じ土地で勢力争いをする「雑草」の生き様は、
私達が会社という固定スペースでしのぎを削って生きていく様に似ています。
 
私達会社人は、エリートである「雑草」達から学ぶべき点が多くあるはずです。
 
私達の目の前に広がっている「雑草」は、どれ一つとっても凡庸ではありません。
それぞれに目を見張るような特殊能力があるからこそ、そこで勝ち上がっている訳です。
「雑草」がそこに生えているのには、ちゃんと理由があります。
偶然では、私達の目につくほど多くの場所を制することができないのです。
 
私は最近、そういった「雑草」達の「生存戦略」に興味が湧いてきました。
マチュアながら、私の生涯の研究対象のテーマにしたいと想うのです。
 
「雑草」達の「生存戦略」のパターン化。
ここを理解すれば、我々個々人の職場で起きている現象を汎化して理解できるし、
そしてその場合どのような戦術が有効か「孫子兵法書」のような知恵も
見えてくるかもしれません。
 
例えば、アレロパシーという毒物を土壌に撒く特殊能力を持つセイタカアワダチソウ
この「雑草」が空き地に繁茂したとき、
他の「雑草」はやられるがままかと言うと、そうではありません。
誰よりも地中深くに根を張って毒物の影響を免れ、
そして自らの大きな葉っぱでセイタカアワダチソウの日照を奪い、
遂にはセイタカアワダチソウを枯らしてしまう、
日本古来のクズという「雑草」もいるのです。
 
こういった「雑草」達のまさに命がけの戦史に、私は目を向けます。
戦国時代の武将から学ぶことが多いように、
命を賭けている「生命」から学べることは、たくさんあると想うのです。
 
私の今後の研究に、ご期待下さい。