人の「意識」の正体

人の「意識」の正体について、
Yahoo!知恵袋でとてもわかりやすい説明がありましたので、
それをご紹介したいと思います。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1410646359
 
質問は「”意識”とはなんですか?」
 
それに対する答えとして、
bukuroxさんという方が、以下の回答が挙げられています。

私たちが手術を受けるとき、全身麻酔がかけられます。
麻酔ガスは、脳のほとんどの機能を維持しつつも、私たちの意識を失わせます。
この「意識だけを消失させる」麻酔の働きは、
意識の仕組みを考える上で重要なヒントを与えてくれます。
 
私たちの脳の神経細胞は、
他の神経細胞と軸索や樹状突起と呼ばれる回線でつながり、
脳の回路を構成しています。
この軸索内には「微小管」と呼ばれる細長い管の束が存在します。
この微小管の束は、軸索を支える骨格的な役割を果たしていると思われています。
この微小管は「チューブリン」と呼ばれるタンパク質で作られています。
麻酔ガスの分子は、このチューブリンの分子構造の隙間にはまり込む事がわかっています。
アリゾナ大学の麻酔学者のスチュワート・ハメロフ教授は、
このチューブリンの隙間に麻酔薬の分子がはまることで、
一つの電子の動きを阻害することを発見しました。
チューブリンは“開く”“閉じる”という二つの状態を交互に変化させています。
そのどちらかになるのかは、先ほど述べた一つの電子の位置で決定されます。
量子力学においては、一つの電子が二つの違う位置に、
同時に確率的に存在するという重ね合わせの状態を作れることがわかっています。
もしそうであるならば、
一つの電子の位置で開いた状態と閉じた状態が変化するチューブリンも、
量子力学的効果により
「開いてもおり、閉じてもいる、重ね合わせの状態」を作れることになります。
もし、麻酔ガスが一つの電子の動きを阻害することで意識が喪失するのだとしたら、
電子の動きが阻害され、その電子の位置が決定される・・・
すなわち電子がどちらでもある状態でなくなったときに
意識が消失してしまうという仮説が成り立ちます。
そこで、ハメロフ教授、
および世界的な数学者ロジャー・ペンローズ
「チューブリンが、量子力学的な重ね合わせの状態にある状態から、
 開く閉じるのどちらかである状態に崩壊する過程が、意識を生む働きと関係がある」
と考えました。
これが「ペンローズ・ハメロフ・モデル」という仮説です。
 
この仮説にはまだ広くは認められていません。むしろ異論の方が多いのが現状です。
しかし、私の中の直感は、
このペンローズ・ハメロフ・モデルが、
意識というものに対する真理への道標ではないかと囁いています。
とはいえ、もちろん私の直感が正しいとは限りません。
私がそれが真実であると考えたがっているのは、
意識と量子力学という、二つの“科学の深奥”が、
互いに深く関わっているかもしれないという構造に、
美しい魅力を感じているだけだからかもしれません。
 
確信をもっていえることは「私には意識がある」ということです。
そしてもう一つ、
「科学は意識のすべてを解明できるか…という問いに確信を持って答えることができない」
ということです。
残念ながらそれが現状です。

 
上記の回答は、ベストアンサーには選ばれませんでしたが、
私にはとてもわかりやすい文章でした。
この回答で述べられている「意識」に対する説明のアプローチは、
「量子脳理論」と呼ばれています。
私も、この「量子脳理論」を支持する一人です。
(私の過去ブログは、こちら
 
「量子脳理論」は、複雑怪奇に思われる「意識」という現象を、
実にシンプルに説明してくれます。
シンプルと言いましたが、量子力学のエッセンスだけは理解することが必要です。
しかし、それも「シュレーディンガーの猫」の内容だけわかれば十分かと。
(過去ブログ「シュレーディンガーの猫」)
 
確率的にしか決まっていない「世界」は、
「意識」と接することで、確定的な状態に収束します。
これが、観測者効果です。
 
このことから、「意識」とは、
確率を確定に変ずる機能であると考えることができると思います。
例えば「生命」でない石には、確率を収縮させる力はないのです。
 
そもそも「意識」というか「意思」ってそういうものでは、ありませんか?
目の前に広がる様々な確率パターンの中から、
私達は一つのパターンを自由意思で選び取って生きている訳です。
 
ですから、「ON」と「OFF」の状態を確率的に保持できる
「チューブリン」という組織が、
私達の「意識」に大きく関わっているという「量子脳理論」に、
私は大きな説得力を感じます。
 
全身麻酔とは、
麻酔ガスの分子がこの「チューブリン」の分子構造の隙間にはまり込んで、
「ON」と「OFF」のどちらかの状態に固定してしまう現象である訳です。
 
もしご興味がありましたら、
是非「量子脳理論」の書籍を手にとって読んで欲しいと思います。
「もしかしたら世界は、こういうものかもしれない」って、
「世界」のことをわかったようなワクワクした気持ちになれるはずです。