ガビチョウ

ある日私は、朝の4時半に目を覚ましました。
それは、屋根の方から大きな音がしたから。
高音で大音量。
 
よく聴くと、鳥のさえずり?
だけど、まるで目覚まし時計のデジタル音のような大音量が長く続きます。
「これは、本当に鳥のさえずりなのか?」
 
あまりに異質な高音に好奇心が呼び起こされ、すっかり目が覚めました。
 
結局、その時にはその鳥の正体がわからなかったのですが、
なんとその鳥は、次の日の早朝にも私の部屋の屋根にやってきて、
私の目覚まし時計になってくれたのです(笑)。
 
流石に2日間も続くと、
「あの鳥は一体何なんだろう?」という疑問が、私の頭に常駐するようになりました。
 
その答えが判明したのは、1ヶ月後です。
ブログがらみで他の鳥のことを調べているときに、偶然にわかりました。
 
そのさえずりの主は、ガビチョウです。
ウィキペディアは、こちら

 
ちなみに鳴き声は、こんな感じです。

 
音量MAXで聴いて下さい(笑)
すぐ上の屋根から聞こえてきたこの鳴き声の音量は、すさまじかったです。
生物が出している音とは思えず、一瞬デジタル音かと思ってしまいました。
 
いずれにしても、この疑問が短い期間で解決できてよかったです。
「ああ、この鳥だ!」と判明したときの嬉しさは、
推理小説を読んでいて犯人がわかったときの面白さに匹敵します。
 
このガビチョウ。
漢字では、「画眉鳥」と書きます。
もともと中国南部から東南アジア北部にかけて広く生息する鳥で、
日本には1970年代の飼い鳥ブームの際にペットとして輸入された個体が、
かご脱けにより定着したようです。
 
目の周りの白が印象的ですが、全体的に地味な色をしています。
この鳥のペットとしての魅力は、まさにその鳴き声です。
中国では非常にポピュラーな飼い鳥で、囀りを楽しむため広く一般的に飼われており、
鳴き合わせ会も頻繁に行われています。
確かに美しい鳴き声なのですが、控えめではない大音量なので、
日本人の情緒には合わなかったようです。
 
日本では一時期のガビチョウのブームは去り、
大量の在庫を抱えたペット販売業者が始末に困って、
遺棄(放鳥)に及んだ個体が少なからずあると見られています。
 
そしてこのガビチョウ、今や「日本の侵略的外来種ワースト100」に入っているのです。
(「日本の侵略的外来種ワースト100」のウィキペディアは、こちら
 
生息地である里山の生態系において、
ガビチョウと同じ地上採食性のツグミシロハラアカハラといった在来のヒタキ科鳥類を、
駆逐してしまう可能性があります。
 
ガビチョウからしたら、勝手に連れてこられて捨てられた被害者なんですから、
「侵略的外来種」に指定されても「知ったこっちゃない」でしょうね。
 
まあ、日本の風土に十分すぎるほど馴染んだようですから、
これから同じ国に住むもの同士、仲良くやっていくしかありませんね。
 
皆さんも道を歩いていてこの特徴的な鳴き声が聞こえてきたら、
「あ、ガビチョウだ!」と思い出してあげて下さいね。
気づかないということがない程の、大音量で鳴いていますから。