月がこんなに丸いから


 
昨日は、満月でした。
 
家までの帰り道、
きれいなお月様だったので、
ぼーっと眺めていました。
 
「月には、ウサギがいるんだっけ」
満月の模様の中に、耳の長いウサギを探します。
そうすると浮かび上がってくる、餅をつくウサギ。
 
さてさて日本では月にウサギが住んでいますが、
世界では、他にもいろんな見方があるそうです。
 
南ヨーロッパカニ
 ※ウサギの耳の部分をカニのハサミとして見る
 
カナダインディアン:バケツを運ぶ少女
 ※ウサギの耳の部分を無視して、臼をバケツとして見る
 
北ヨーロッパ:座って本を読むおばあさん
 ※ウサギの耳の部分をおばあさんの頭(上)と持った本(下)として見る
 
東ヨーロッパ:横向きの女性の顔
 ※今までとは逆で、黒い部分でなく白い部分を絵として認識する
 
アラビア:吠えているライオン
 ※上下反対!ウサギの耳を脚と見て、ウサギの下半身や臼の部分を頭として見る
 
どうでしょう?
それぞれ、そんな風に見えますか?
 
さて昨日の夜、私は「月に何が見えるのか?」と、改めて月を眺めてみたのです。
そうしたら、私にはニッコリ笑っている顔が見えてきました。

 
国や地域によって、こんなに解釈の違う月の模様ですから、
「これだ!」という決まり手となるような見え方はありません。
それだけ月の模様は、くっきり意味を見出せる程には明確ではないのです。
どんな風に見えるかは、見る人や社会の価値観が影響を与えます。
 
ちなみに私が最も共感する見方は、北ヨーロッパの本を読むおばあさんです。
ウサギにも見えなくはないのですが、餅をつく杵と臼が微妙に感じます。
私の生活に杵と臼が無縁であることも、大きな要因でしょう。
 
あなたは、月に何を見ますか?
満月の日に、頭を空っぽにしてボーッと眺めてみて下さい。
 
夜の街は明るすぎて、月に意識が行く機会がなくなって来ていますが、
改めて月を眺めると、やっぱり月は美しいですよ。
 
夜がまだ暗かった頃、昔の人はどんな風に月を眺めていたんだろうと思います。
「花鳥風月」と言いますが、真っ暗闇に存在感ばっちりに浮かぶ月は、
見る人の「心」に様々な感情や気持ちを生じさせたのではないでしょうか。
希望、畏怖、不安、憧れ、感動。
 
月を見ても何にも感じなくなってしまった現代人の私ですが、
今度月のよく見える場所に座って、月見でもしようかなと想う次第です。