摂氏と華氏

どこにいても、共有知識にアクセスできるこのインターネット時代。
  
私は気になった疑問は、すぐにスマホやPCで調べることにしています。
 
この前調べたのは、摂氏と華氏についてです。
漢字で書いてもわかりづらいかもしれませんね。
 
摂氏(せっし)と華氏(かし)で、
世界的に利用されている温度の単位のことです。
 
皆さんもご存じのように
日本では、摂氏(せっし)が使われています。
世界的にもほぼ全ての国で、摂氏(せっし)が利用されているようです。
 
しかしウィキペディアによりますと、
もともと華氏(かし)を利用していた国々でも
ほとんど摂氏(せっし)への移行が完了しているのに、
アメリカとジャマイカでは、
置き換えが生産者側・消費者側の両方で大きな抵抗に遭っているため、
華氏(かし)は様々な分野で広く使われ続けています。
またイギリスの一部では低い温度は摂氏(せっし)で表されるが、
日常的に使われる温度は華氏(かし)で測定されているようです。
 
ワールドワイドなのは摂氏の方なので、
私達日本人は大手を振ってこれからも摂氏(せっし)を使っていればよいと思います。
しかし超大国アメリカが使っているとなると、
華氏(かし)という単位を完全に無視することはできない訳です。
 
例えば、日本産の自動車エアコンの設定温度は日本仕様では摂氏(せっし)ですが、
同じ車種でもアメリカ仕様は華氏(かし)刻みで設定されています。

面倒くさいけど華氏(かし)ともお付き合いをしないといけないようです。
 
さて、華氏と摂氏の感じからも連想できるように、
双方とも人名がその表記の元になっています。
 
華氏(かし)は、
ドイツの物理学者ガブリエル・ファーレンハイトが1724年に提唱した温度単位です。
ファーレンハイトの中国音訳「華倫海特」から「華氏」となりました。
 
一方で摂氏(せっし)は、
スウェーデン天文学者アンデルス・セルシウスが1742年に考案したものです。
摂氏(せっし)の語源は、
セルシウスの中国音訳「摂爾修斯」から「摂氏」となりました。
ちなみに「℃」の「C」は、セルシウスの「C」です。
 
1724年、華氏(かし)の方が摂氏(せっし)よりも少し早く誕生しました。
しかしこの頃、日本は江戸時代です。
ちょうど平外源内さんが、1728年生まれ。
当時のヨーロッパと日本の科学的な取り組みの差がわかります。
 
さて具体的に、華氏(かし)とはどんなものなのでしょうか。
 
ご存じの通り摂氏(せっし)は、水を基準に単位設定されています。
水が凍るのが0℃、水が沸騰するのが100℃ですね。
 
これに対して、華氏(かし)は私達が生活する上での体感の気温を基準にしています。
ウィキペディアによると、こんな感じです。

地球上の居住可能地域の大部分で気温変化は0 °Fから100 °Fの範囲に収まる。
〜10度台 - 厚い霜が降りる。即座に凍え死ぬ寒さ。
20度台 - 薄い霜が降りる。
30度台 - 寒い。氷点に近い。極寒。
40度台 - 寒い。厚い衣服が必要。
50度台 - 涼しい。適度な厚さの衣服で十分。運動には適温。
60度台 - 暖かい。薄手の衣服が必要。
70度台 - 適度に暑い。夏服が必要。
80度台 - 暑いが耐えられる。少なめの衣服。猛烈な暑気。
90度台 - とても暑い。過熱に対する予防措置が必要。
100度台〜 - 危険なほど暑い。生存には危険な酷暑。

 
また華氏(かし)での人間の平熱が98.6度であることはよく知られていて、
体温が華氏(かし)100度以上になると治療が必要とされるなど、
華氏(かし)は生活感覚に直結した温度目盛であると主張されているようです。
 
人が生活するには、華氏(かし)の方が実は使いやすいのかもしれません。
実際、エアコンの設定温度は、日本では0.5℃刻みで小数点が出てしまいますが、
華氏(かし)は、
だいたい人間が生活できる気温を0度から100度に設定しているため、
摂氏(せっし)よりも刻みが細かいので小数点で表記する必要がないようです。
 
このように華氏(かし)は、生活に馴染んだ使い勝手のよい温度単位なので、
アメリカのような一部の国では、まだ使われているのだと思います。
 
私達だって、
いきなり明日から摂氏(せっし)でなく華氏(かし)を使えと言われれば困惑するはずです。
 
アメリカという国は、
私達日本が「暑い」「寒い」という感覚でしかいなかった時代にも、
庶民が温度を数字で管理していたのだと思います。
文化になるほど華氏(かし)が根付いていたから、
世界中で摂氏(せっし)を使っていても、
華氏(かし)を愛し続けているのかなと思う次第です。