『消えます』

『消えます』
 
俺は今日消えます。
ずっと彼女のことを見ていました。
だけど、彼女は俺に気づかない。
だから消えます。
 
私は今日何か大切なものを失うらしい。
占い師が言っていました。
だけど、一体何を失うのか分からない。
だからとても不安です。
 
彼女と出会ったのは3年前。
俺は彼女に一目惚れ。
それからずっと彼女を見ていました。
彼女を知れば知るほど好きになりました。
 
3年前に交通事故を目撃しました。
私はバイクの傍に倒れていた男性に声をかけました。
彼は一瞬私に目を向けましたが、そのまま亡くなりました。
その事故が今日失うものに関係あると占い師が言っていました。
 
心残りなのは彼女の幸せ。
彼女には彼女を守ってやれる男性がいない。
俺が守ってやりたいが俺には彼女を守れない。
こんなに悔しいことがあるだろうか?
 
私には恋人がいない。
もちろんいつか素敵な人を見つけたいと思います。
だからよく占い師にも相談します。
だけど、今は不思議と寂しいとは思わないんです。
 
それじゃあ、そろそろ消えようか。
最後だから君を抱きしめさせておくれ。
俺の心には君の全てが刻まれている。
ありがとう・・愛しているよ・・・
 
その時感じたんです。
私を優しく見つめる目を。
ずっと私のことを見ていてくれたのね。
ありがとう・・愛しています・・・