世界を染めるか世界に染められるか


 
上記は、「ルビンの盃」という心理学で使われる絵です。
この絵を見てみてください。
あなたには、何が見えるでしょうか?
 
白地に注目していただくと、「花瓶」が見えます。
しかし、黒字に注目していただくと、向かい合った「人の顔」が見えるはずです。
どちらが正解か?
これはもちろん、両方とも正解となります。
見る人の視点によって、上の絵は「花瓶」であり「人の顔」なのです。
 
このような感じに、世界は全て相対的な存在として捉えることができます。
例えば、地動説と天動説どっちが正しいか、おわかりですか?
 
「地動説が正しい!」と答えちゃう人は、固定概念に囚われています。
考えてみてください。
宇宙には地面などありません。上も下も東西南北もない世界なのです。
そのような空間の中で、
地球が太陽の周りを回っているのか、太陽が地球の周りを回っているのか、
どちらか一方のみが正しいということはあり得ません。
つまるところ、どちらも正解なのです。
しかし、地球が太陽の周りを回っていると認識して他の惑星の動きを計算するほうが
シンプルに計算できる。
だから、世の中では地動説が正しいということになっている。
 
しかし、根本的には相対的な問題であり、地動説も天動説も正しいと言える訳です。
 
あなたと世界の関係も、同様に捉えることができます。
ここで質問です。
 
 あなたは世界から影響を受けていますか?
 
もちろん、答えは「Yes」ですよね。
私たちは世界の影響を受けています。
例えば、服を着るという行為。
外が寒ければ温かい服を着るし、社会の流行に沿った服を着るかもしれません。
法律で禁止されているので服を着ないで外に出ることはしませんし、
デートであれば相手によく見られそうな服を着ます。
服を着るという行為一つをとっても、
私たちは世界から様々な影響を受けている訳です。
 
しかし、前述したように相対的な観点で考える時、
「逆もまた真なり」となります。
すなわち、私たちは世界の影響を受けていると同時に、
世界も私たち一人ひとりの影響を受けているのです。
 
どちらの立場から世界を認知するのか。
それは、上記の「ルビンの盃」のように見る人の主観によって変わります。
 
ある人は、自分を世界の影響下にあると考え、
ある人は、世界を自分の影響下にあると考える。
 
どちらの考え方が、その人自身にとって望ましいのか?
それは後者です。
何故なら、
自分が世界の奴隷だと認識する時、その人の人生は無意味となってしまうから。
世界とは、外部環境全てです。
自然環境であり、他者であり、会社等の組織であり、運命であります。
そして私の考えでは、食欲や性欲といった本能も外部環境です。
 
 あなたは、他者の奴隷ですか?
 あなたは、会社の奴隷ですか?
 あなたは、運命の奴隷ですか?
 あなたは、本能の奴隷ですか?
 
「No!」
そう言いたいでしょう?
 
世界の奴隷となった瞬間、あなたの人生は意味を失ってしまうのです。
そうではなくて、世界を逆に捉えることが人生の活路を拓きます。
 
 世界は、あなたが支配するのです。
 
もちろん、ハリウッド映画の悪役がやるような世界征服という意味ではありません。
あなたが主役となり、世界を染めて行くんだということを言っています。
あなたが生きることで、
世界というでっかいキャンパスにあなたのオリジナルの絵が描き上がるのです。
そう、あなたは確かに世界を支配する立場にあります。
そもそも、あなたがいなければ世界は存在しないのですよ?
「?」と思った方、しっかりと相対的に考えていただければ理解できると思います。
 
 あなたは世界というキャンパスに、どんな絵を描き上げますか?
 
遠慮は要りません。
思いっきりあなたの個性を爆発させた絵を描いたほうが、人生楽しいと思います。
 
もし、あなたが世界に1ミリの影響も与えない存在だとしたら、
その辺の石ころのように、
あなたの人生には、生きる意味が生じる余地が全くないことになってしまいます。
 
生きるという営みは、
世界に影響を与えて世界を変化させていく活動に他ならないのです。