「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」


強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない
 
レイモンド・チャンドラーが生み出した
ハードボイルド小説の探偵フィリップ・マーロウの台詞です。
 
ずっと長い間、自身の生き方の軸に、この言葉があったように思います。
今でもこの言葉は、私の心の中で大きな存在です。
 
私は薄情で、決して優しい人間ではないのですが、
この言葉に対しては、「優しくならなければ」という想いよりも
「強くならなければ」という想いを強く感じていました。
 
人を助けるためには、力が必要です。
例えば、大金があれば多くの不幸な人々を幸せにする手を打つことができるでしょう。
また、時間が無尽蔵にあれば今頃福島や宮城にボランティアに行っていたかもしれません。
 
でも私は弱く、生活するだけで手一杯な現状です。
 
私は強くならなければならない。
だけど、自分をうまくコントロールできず時間を無為に過ごしてしまうことも多い。
そして、人より不器用で生産性も低い。
 
多分私は、優しくもないから、血を吐いてでも強くなる覚悟を持てないのでしょう。
 
どうしたら、自分を甘やかすような「利己」から、「利他」に変われるのでしょうか。
「利他」になって人々を笑顔にすることが、
自分の「幸せ」であることは、実感としてわかっているつもりなのですが・・・
 
朝、皇居ランをしたり、私も少しずつ変わってきているようにも思いますが、
まだまだ全然、大切な何かが足りません。
 
マザー・テレサは、
「全てを捨て、最も貧しい人の間で働くように」という啓示を受け、
38歳の時に、修道院を出て単身カルカッタのスラム街の中へ入っていきました。
真に優しい人は、他者のために己を差し出す覚悟を持っているため、
すなわち誰よりも強い人でもあるのです。
 
強くなるために、
「どうしたら強くなれるのか」単に考えているだけではダメなのかもしれません。
強くなるためには、まず真の優しさを手に入れる必要がありそうです。