久方の光のどけき春の日に

実は、最近バタバタしていてサボっていた皇居ラン。
昨日の朝、ようやく何とか再開することができました。
 
というのも、職場の仲間が朝トレーニングジムに通っているのですが、
彼が前日深夜に帰宅したにも関わらず翌朝トレーニングジムに行ったという話を聞いて、
自分も頑張らなければダメだ!と奮起した訳なんです。
 
しばらく、訪れていなかった皇居。
すっかり春の装いになり、花に溢れていました。
その中でも、やはり一際目を惹くのが桜ですね。
走っている途中で、写真を撮ってきました。
 



 
桜と言えば、ソメイヨシノ
漢字では、染井吉野と書きます。
漢字の表記があるのに、何故かカタカナ表記されることが多いですね。
 
ソメイヨシノは日本全国で見ることができます。
全国花見のスポットに咲く桜は、ほぼ全てソメイヨシノと言ってよいでしょう。
このソメイヨシノの見事な点の一つは、
同じ地域であれば、一斉に同時期に花を咲かすことです。
この特徴があるので、花見の席では圧巻のスペクタクルで桜の花を鑑賞できます。
 
それにしても、何故全ての木が同じ時期に花をつけるのか?
それは、実は全てのソメイヨシノがクローンだからなのです。
 
ソメイヨシノは、花が咲いた後にタネをつけますが、実はこのタネからは芽が出ません。
人工的にヒョウとライオンが掛け合わされて生まれたレオポンに生殖能力がないように、
ソメイヨシノも違う種類の桜を掛け合わせた雑種であるため子孫を残せないのです。
 
タネから芽が出ないのに、どうやって日本全国にあんなに繁殖しているのかと言うと、
人間が接木をしてソメイヨシノを各地で増やしています。
ソメイヨシノは自然界の法則では繁栄できない種ですが、
その美しさが人間のお眼鏡に適ったお陰で
日本各地に繁殖できるようになった特殊な植物なのです。
 
梶井基次郎が「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている」と表現したように、
確かにソメイヨシノの花の美しさはとても幻想的ですよね。
葉っぱが1枚もなく、花花花の一面の薄ピンクの世界に、
視界は吸い込まれ、息を呑む迫力に圧倒されそうになります。
 
子孫を残せない生物が、それでも必死に咲かせる儚い花。
桜の花に感じていた退廃的な美しさの理由がわかったような気がします。