新入社員に教わったこと

私の職場では、新入社員が4月から働いてくれています。
彼女は優秀で、先回りして物事を考える力があります。
 
例えば、事務所にお客様がいらっしゃる時に、
コーヒーを淹れておいた方がいいですねと、
お客様の来訪の前にコーヒーを準備しておいてくれたりします。
 
他にも、先回りで「こうした方がいいですよね?」と、
自分で考えて動いてくれる。
 
正直、私は先回りして考えることができません。
目の前の課題に対する処理を行うことはできても、
先回りして「こうしておいた方がよいな」という気づきを持てないのです。
 
先回りの能力については、私は諦めの境地でした。
こういうのは、
仕事ができる人に備わっている先天的な才能とかセンスであると考えていました。
悲しいかな、自分には先回りの気づきを持つのは永遠に不可能だと思っていました。
 
その新入社員の先回りに感心した私は、
先回りの能力に感心した旨を伝え、どうして先回りできるか聞いてみました。
 
それに対して、彼女は明確に答えてくれました。
「家で、いつも相手の気持ちになって考えるように教えられてきた」と。
相手の気持ちになって考えると、
これがあった方がよいなということを想像できると彼女は言います。
 
その答えに目からウロコが落ちました。
 
先回りして行動するなんて、
自分には、100メートルを10秒で走るのと同じくらい不可能なことだと思っていた訳です。
しかし、彼女の言葉を聴いて「あっ、優しさが足りなかったのね」と納得しました。
「優しさ」という身近なアプローチが示されたことで、
なんだか自分にも、できそうな気がしてきました。
 
やっぱり、今までの自分には全然「優しさ」が足りなかったようです。
もっともっと優しくなれば、仕事でもよい価値を生み出すことができる。
もっともっと優しくなって、他者の幸せために身を削る覚悟を持てれば、
強い自分になることができる。
 
自分のことをダメダメだと思っていて、結構苦しい道を歩んできた私ですが、
もしかしたら、幸せまでの地図が手に入ったかもしれません。