怒らないということ

私は幼い頃、泣き虫で怒ることもできない気の弱い子でした。
 
小学校の頃は、誰かの後をずっと付いていくような子どもで、
やっぱり誰かに怒るなんて、そんな大それたことはできませんでした。
 
中学校の頃、怒らないと他の人にいいようにされることを知り、
生きていくうえで、怒ることはとても重要なことだと自分に言い聴かせていました。
 
高校生の頃、本当に酷い時には怒れるようになりました。
だけど「キれる」と言った方がいいような不器用な怒り方でした。
 
大学生の頃、相変わらず自己主張は苦手でした。
人とのコミュニケーションも苦手で、そんな自分に幻滅し、
こんな気持ち悪い自分が他人に怒る資格なんてないと思うようになりました。
 
社会に出て、いろいろな経験を積みました。
 
不思議なことに、学生の頃まではうまく怒れないことがハンデだったのに、
社会に出て、怒らないことが美徳と評価してもらえるようになりました。
怒らないけども、しっかりと自己主張をすることもできるようになりました。
 
ただ、今でも怒る時はあります。
自分から怒ることはほぼゼロですが、
他の人から怒りをぶつけられると、反射的に語気を荒げてしまいます。
相手の言い分がモットモだと思ったときは、もちろんシュンとしますが、
理不尽に感じた時には、怒りの炎が瞬間的に点火します。
 
でも、この怒りもダメ。
直さないといけないと思っています。
 
最近「超役ブッダの言葉」という本を買いました。
ベストセラー「超役ニーチェの言葉」の続編です。
仏教という心の哲学には、前から興味があったので、
読んでみることにしたのです。
 
仏教では、怒りについて多くのことが語られています。
まさに自分が体験している上記の「カウンター怒り」のことも書かれていました。
その部分を読んで「やっぱ怒るのよそう」と実感したので、
少しずつ治していこうと思っています。
最終的には、
「自分が怒るのは他者が被害を受けた時だけ」という心境までもっていきたいですね。
 
 
さて最後に、「怒る」ってことをずっと真剣に見つめてきた
「怒りスペシャリスト」の私が、
怒りを手放すのにお世話になった言葉を紹介したいと思います。
 
 「のに」
 あんなにして
 やったのに
 「のに」がつくと
 ぐちが出る
 相田みつを
 
怒りを手放すには、執着を手放すことが大事かと。
もちろん口で言うほど簡単なことではないと思いますが。