「セミ」を知ってみましょう
夏の虫といえば「セミ」。
誰もが、その存在や名前を知っていますが、
彼らがどんな虫なのか詳しくご存知の方はあまりいないと思います。
あなたが、この記事を見ていらっしゃるのも何かの縁。
ここで「セミ」について少し詳しくなって、
彼らの鳴き声を聞いたときに、
もう少し深く、彼らの存在をイメージできるようになってみましょう。
まず、一口にセミと言っても、実際は二種類の鳴き声がしていることに気づいていましたか?
一つは、「ミーン、ミンミンミンミンミーン・・・」
もう一つは、「ジジジジジジジジジジ・・・」。
よ〜く、耳を澄ますと二種類の鳴き声が聞えてくるはずです。
(ごめんなさい。東京地域限定の話です。)
「ミンミン」鳴くほうが「ミンミンゼミ」。
「ジジジジジ」と油を熱したときのような音で鳴くのが「アブラゼミ」です。
※各ウィキペディア:「セミ」「ミンミンゼミ」「アブラゼミ」
ご存知のとおり、セミの幼虫時代は土の中。
例えば、アブラゼミは6年間も地下生活をします。
さて、そんなに長い土の中の幼虫時代、彼らは何を食べているか知っていますか?
カブトムシの幼虫のように腐葉土でしょうか。
それとも、土の中のミミズでしょうか。
実は、セミの幼虫は木の根に管を刺して樹液を吸っています。
そう、セミは成虫も幼虫も、樹液を食料としている訳です。
初夏、晴れた日の夕方、幼虫は羽化をするために地上に出てきて周囲の木などに登ります。
羽化のときは無防備なので、天敵に見つからないよう夜のうちに脱皮して成虫となる訳です。
成虫となったセミは、繁殖行動の期間に入ります。
ところで、セミは成虫になったら1週間しか生きられないって聞いたことがありませんか?
これは捕まえて虫かごに入れるとすぐに死んでしまうことからきた俗説です。
実際には、セミの成虫は1ヶ月ほど生きるそうですよ。
さて、セミ最大の特徴といえば「鳴く」ことですが、
一体何のために鳴いているのでしょう?
それは、鳴いてメスを呼ぶためです。
実際、鳴いているのはオスばかりで、メスは全く鳴きません。
セミの鳴き声がなぜあんなに大きいのかと言うと、
一生懸命メスを呼んでいるからなんですね。
決して、虫取り網を持った小学生に居場所を知らせるためではありません。
ず〜っと暗い土の中で一人で地味に暮らしていたのに、
突然明るい世界に出て空も飛ぶことができるようになるセミ。
そして新世界で待っていることは、メスと出会い子孫を残す最後のフィナーレ。
セミは、待望の新世界である日本の蒸し暑い真夏の世界に何を感じるのでしょうか。
そんなことを想像していると、
セミが何であんなに大きな音で一日中一生懸命鳴いているのか、
その気持ちがわかるような気もしてきます。
今までと違って鳥とかの天敵だらけの空間で、
メスと出会えなければどうしようという不安に駆られ、
しかし、待ちに待った最後の仕事を心の底から喜び勇んで、こなしているのでしょう。