働くことで手に入る「幸せ」

「日本でいちばん大切にしたい会社」という坂本光司教授が書かれた書籍をご存知でしょうか?
50万部を達成した大ベストセラーです。
 
まだ読んだことがない方は、是非一度読んでみることをオススメします。
日本には、こんなに素敵な会社があるんだなということを気づかせてくれる本です。
どう素晴らしいのかというと、
この本に登場する会社達は、
「社員」を始めとした「人の幸せ」を追求する、涙が出るほど暖かい会社なのです。
 
会社で働くことに疑問を覚え始めた新入社員の方。
職場でトラブルを抱えて、仕事をする意味がわからなくなった方。
特に、こういった方々にオススメです。
この本は、「働く」ということの本当の意味を教えてくれます。
 
この本で紹介されている会社に、
日本理化学工業」というチョークを作っている会社があります。
粉の飛びにくいチョークで国内シェア30%を占める強い企業なのですが、
実はこの会社は、知的障害者の方の雇用率が社員の7割に及んでいる会社なのです。
日本理化学工業様のホームページはこちら。 是非一度、ホームページも見てみてください。)
このような従業員構成になった経緯には、ものすごく感動するお話があります。
詳細は是非本を手にとって確かめてみてください。
 
さて、知的障害者の方は養護学校を出た後、
「就職する」か「施設に入る」かという選択に迫られます。
この本に登場する養護学校の先生は、
知的障害者の方に何とか就職の道を与えようと
日本理化学工業」の大山さんを訪問し、
頭を地面にこすりつけるように卒業生の採用を懇願されたそうです。
なぜなら、就職ができない場合、
「働く喜び」「働く幸せ」を知らないまま施設で死ぬまで暮らすことになってしまうからです。 
 
さて、「働く喜び」「働く幸せ」とはどのようなものなのでしょうか?
社長の大山さんのお話として、幸福に関するお話が出てきます。
幸福とは、
(1)人に愛されること
(2)人にほめられること、
(3)人の役に立つこと
(4)人に必要とされること
なのだそうです。
これらのうち、(2)から(4)は、仕事をすることで手に入ります。
「誰の役にも立たない」「誰にも必要とされない」
これらの苦しさは、理解できますよね?
遺伝子レベルの「本能」では、働かずに楽して生きる方がよいと判断するでしょうが、
真の自分である「心」は、どうやらそう判断しないようなのです。
 
ところで私は、悩んだり苦しんだりしたとき、
その対象の「本質」を徹底的に理解することで
「心」の整理をつけ次のアクションを起こそうとします。
ですので、人生に大いに苦しみ悩んだ私は、
人生の「本質」を理解することに時間を投資してきました。
そんな人間からのアドバイスとして・・・
仕事で悩んでいる人は、
是非「働く」ことの「本質」をご自身なりにつきとめてみるのもよいかと思います。
必ず、自分にとっての、よい「働き方」、よい「職場」というものが見えてくるはずです。
 
先日私は、取引先の会社に行ったときに「必要とされている」という実感を得ました。
そのとき、「ああ、幸せだな」と感じました。
「働く幸せ」を見つけることは、幸せな人生の重大要素です。
もちろん他の「幸せ」も摂取しないと栄養のバランスは崩れますが、
「働く幸せ」はご飯やパン等の主食となるレベルの人生の栄養素であると考えます。
 
「働く幸せ」を意識せず、お金のためだけに仕事をすれば、苦しいばかり。
「ニンジンをぶら下げる」という表現がありますが、馬に失礼な気もするのです。
もしかしたら、人間と共に働く馬は、人間の「ありがとう」という気持ちに応えて、
一生懸命働いてくれているのかもしれません。
少なくとも、人馬一体の競馬の世界では馬との心の交流は不可欠なようですね。
 
他者から必要とされないと、苦しむ私たち。
やはり「真の自分」である「心」は、「与える」ということを欲しているように思います。