「すき屋」で出会った外人さん

すき屋」の牛丼。
安くておいしいので、私は出先でたまに食べます。
 
私の行きつけの「すき屋」は、昼の時間は満員状態で大忙し。
いつも店員さんが、てんてこ舞いで店内を移動しています。
すき屋」は、
食べ終わった食器はそのままテーブルに置き、
お会計はレジまで移動して行うシステムです。
  
その日、店内は大忙しだったため、食べ終わった食器があちらこちらに残っていました。
また、客はひっきりなしに入ってくるので、
まだ食器が片付けられていないテーブルにどんどん客が座り、
店員さんが食器を片付けるのを待っている状態でした。
 
店員さんは大慌てで、
「すみません。少々お待ちください。」と謝りながら、
食器を片付け注文をとり料理を運ぶということを一生懸命やっています。
 
私は、「大変だな」と思いつつ、
店員さんに持ってきて頂いた牛丼を食べていた訳です。
 
さて、私の隣の隣に、
バングラディシュかネパールかそういった国の出身と思われる外人さんが牛丼を食べていました。
彼は食べ終わると、食器をお盆に重ね厨房まで運び、
「ごちそうさまです」と言ってお盆を厨房の店員さんに直接渡してから、
レジでお会計をして帰っていったのです。
店員さんも「ありがとうございます!」と、その外人のお兄さんにお礼を言っていました。
 
「ああ、そうか」私は思いました。
私の頭の中では、
すき屋」の「食器はテーブルに置いていく」というシステムが当たり前になってしまっていて、
食べ終わった食器をレジまで運ぶという発想がなかったのです。
 
さっそく、私も食べ終わるとお盆を厨房まで運んでお会計をしました。
私の次に食べ終わった人もお盆を厨房に運びます。
 
店員さんは、「いいんですよ。わざわざすみません。」と恐縮していました。
 
ついつい日本にいると、店員さんの接客精神がしっかりしているため、
客という立場を当たり前に思ってしまいがちです。
しかし、よく考えたら「人」対「人」。
店員さんという他者に対する心遣いを忘れてはいけないなと思いました。
 
やはり、外国の方は日本とは違う観点を持っていらっしゃる。
彼の爽やかな笑顔の「ごちそうさまです」を記憶の片隅に見ながら、
「国際交流というのは、やはり必要だな」と改めて思ったのでした。