「蝶」は今日も飛ぶ

以前のブログで、「縁」のお話をしました。
そのブログは、こちらです。
ある事象が発生したときに、
直接的な原因である「因」以外の、間接的な無数の些細な原因を「縁」と言います。
例えば、「風が吹けば桶屋が儲かる」の「風が吹く」ことが「縁」ですね。
 
この「縁」のご紹介をした際に、
バタフライエフェクトバタフライ効果)」について触れました。
ウィキペディアこちら
バタフライエフェクト」とは、
ある場所での「蝶の羽ばたき」が、
そこから離れた場所の将来の天候に影響を及ぼすという内容です。
この言葉は、「カオス理論」という物理学の理論を説明する際に使われます。
例えば、日本の蝶々が羽ばたいてできた弱弱しい空気の気流が、
巡り巡ってアメリカでハリケーンを起こすようなイメージです。
「縁」の話に戻すと、
蝶の羽ばたきが「縁」となり、何らかの要素で「縁」が「因」に成長し、
アメリカでハリケーンが起こったと説明できます。
 
通常小さな力は、世界という巨大な系にとって「ゼロ」に等しい力です。
しかし、「バタフライエフェクト」で説明されているように、
小さな力が世界を動かすことも十分にあり得ます。
と言うか、どんなにものすごい出来事も、
全て始まりは「蝶の羽ばたき」のような小さな力だったりします。
 
例えば、インド独立の父マハトマ・ガンディー。
彼は、非暴力という奇跡的な手段でインドをイギリスの支配から解放しました。
インドの独立の「因」は、ガンディー氏の活躍です。
またこれを「縁」の観点から解釈すると、違う視点で考えることもできます。
例えば、ガンディー氏の子どもの頃の経験や出会った人々からの言葉、
様々な「蝶の羽ばたき」が彼をインド独立に向かわせたとも言える訳です。
 
そして、チュニジアジャスミン革命
あるチュニジア人ブロガーが投稿したブログ記事は、
何千回とリツイートされ、チュニジア人の心を一つにしました。
普通の一個人がブログを発信するという行為は、
著名人の発言やメディアのニュースに比べると、「小さな小さな力」です。
しかし、この「小さな小さな力」は、
チュニジアの独裁を終わらせるという歴史的な快挙の一因ともなりました。
そして、そこから「縁」は更につながり、
エジプトやリビアの独裁を終了させる「中東の春」を迎える訳です。
 
インターネットの登場とソーシャルメディアの発達により、
世界は、より不安定となり、変化しやすくなっています。
「小さな小さな力」が「大きな変化」を引き起こしやすい相にシフトした訳です。
 
今、「一個人の小さな力なんて、社会に影響なんて与えない」という諦めに
多くの人が包まれているように思えます。
選挙の投票率が毎年低いのも、その諦めの表れでしょう。
 
しかし、一個人の「蝶の羽ばたき」は世界で変化を起こし続けています。
例えば、東日本大震災のとき、被災者の方々は秩序を守って店で行列を作りました。
この一人ひとりの、誠実な行動が「蝶の羽ばたき」です。
この「蝶の羽ばたき」は、どのように世界を変えたのか?
以下の産経新聞の記事を見てください。
 「日本人を見習いたい」 被災者らが助け合い 略奪も発生せず
トルコ東部地震被災地では、避難生活を送る人々がお互いに助け合い、
落ち着いた行動を呼び掛け合っているとのことです。
「昨晩、みんなで震災後の日本人の姿勢を見習わなければいけないと話していたんだ」と、
イザット・アカーンさんが記事の取材に答えています。
 
もしかしたら、このブログを読んでいる方々にも、
東日本大震災のとき、被災地の店舗で行列を作られた方もいらっしゃるかもしれません。
あなたの「蝶の羽ばたき」が、トルコの被災地の方々に伝わり、
被災地での混乱の発生を抑止したとも言える訳です。
 
私の日々描いているブログも「蝶の羽ばたき」です。
先日は、東日本大震災のときの台湾からの暖かい支援について紹介したブログ記事に、
「東京在住の無名な台湾人より」というお礼のコメントを頂きました。
ありがたいことです。
私の「蝶の羽ばたき」が、日台の友好に少しでも貢献できたことを嬉しく思っています。
 
ところで、マハトマ・ガンディーに倣ったと表明している指導者に
ダライラマ14世がいます。
ガンディー氏の偉大な業績が、ダライラマ14世のご活躍にも繋がっていた訳ですね。
ダライラマ14世の言葉に、こんな言葉があります。
「どんな大きな流れも、きっかけは一人の小さな行動から生まれます。
 もしあなたが「自分には大したことなど出来ない」と思ってしまったら、
 それは世界にとって大きな損失となるのです。」
 
全ては、「蝶の羽ばたき」から始まります。
素敵な世界を夢見ても、「どうせ自分なんかには何もできない」と諦めているそこのあなた!
一緒に「蝶の羽ばたき」を起こしませんか?