「少年よ大志を抱け」(副題「奇跡の8ヶ月」)
「少年よ大志を抱け」
この言葉をご存知でない方は、あまりいないと思います。
そう。札幌農学校(現北海道大学)の初代教頭クラーク博士の言葉です。
彼は、明治9年7月に日本にやってきました。
まさに日本の大変革期の只中の時代です。
(クラーク博士のウィキペディアはこちら)
それにしても、この言葉は本当に有名ですよね。
時を超え今も語り継がれるこの「言葉」は、
よほど直感で共感できる「本質」を突いた言葉なのだと思います。
この「言葉」は、これから先100年、
いやもっと恒久的な期間語り継がれるのではないでしょうか。
そう思いませんか?
ところで、クラーク博士は日本にどの程度滞在されていたかご存知ですか?
答えは、「8ヶ月」。
しかし、この「8ヶ月」でクラーク博士は、日本に大きな大きな財産を残しました。
まずは、カレーを日本に広めたこと。
・・・ごめんなさい。これは冗談で描きましたが、本当にそのような説があります。
詳しくは、上記のクラーク博士のウィキペディアをご覧下さい。
ただ、私も週に2〜3回はカレーを食べている人間ですので、
この点でもクラーク博士には感謝の気持ちを捧げたいと思っています。
さて、気を取り直して。
クラーク博士が日本に残して頂いた財産。
一つは、彼の教え子達ですね。
「8ヶ月」しか日本にいませんでしたので、
彼の直接の教え子は1期生の16人だけ。
この中には、北海道帝国大学初代総長の佐藤昌介氏がいます。
また、直接クラーク博士から教わったことはないですが、
クラーク博士の精神を色濃く吸収した第2期生の中には、
名著「武士道」を英語で書き上げ日本の存在を世界に知らしめた
国際連盟事務次長の新渡戸稲造氏(旧五千円札にも登場)や、
足尾銅山の公害に苦しむ人々のために大きな支援を果たした内村鑑三氏がいます。
クラーク博士という「ご縁」がなければ、今の形の日本はなかったかもしれませんね。
そして、クラーク博士が日本に残したもう一つのプレゼント。
それが、「言葉」です。
「少年よ大志を抱け」、英語では「Boys, be ambious!」 。
この「言葉」に感化され勇気づけられた人々は数知れないのではないでしょうか?
実はこの「言葉」は、とてもかっこいいシチュエーションで使われました。
ウィキペディアから引用します。
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彼は教え子達とのお別れの際、
教え子たち一人一人その顔をのぞき込んで、
「どうか一枚の葉書でよいから時折消息を頼む。
常に祈ることを忘れないように。
では愈御別れじゃ、元気に暮らせよ。」といわれて
生徒と一人々々握手をかわすなりヒラリと馬背に跨り、
"Boys, be ambitious!" と叫ぶなり、長鞭を馬腹にあて、
雪泥を蹴って疎林のかなたへ姿をかき消された。
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かっこよくないですか?
もし私が教え子だったなら、一生の語り草にしますね。
そしてもう一つ。クラーク博士が残された言葉。
「Be gentleman.」
この言葉は、北大の精神ともなっています。
またまた、ウィキペディアから引用します。
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彼は札幌農学校の校則について、
開拓使長官の黒田清隆(後の内閣総理大臣)に
「この学校に規則はいらない。
“Be gentleman”(紳士であれ)の一言があれば十分である」と
進言したと言われている。
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突然ですが、日本社会は組織が個を殺す社会です。
組織が個を支配するから、
日本の学校には「こんなことまで?」と
世界が驚くような細かい部分まで校則というルールがある。
結果、「従順な心」は育っても、
己で「善悪」を判断する「良心」を育てる機会には恵まれない。
「Be gentleman.(紳士であれ)」は、
ガチガチの細かな校則よりも、ずっと厳しいルールであることがわかりますか?
校則さえ守れば「OK」という甘い話ではありませんから。
「善悪」を己で判断し、本能の誘惑に負けず、全ての自身の行動を律する必要があるのです。
これこそが、大学生に期待される大人になるにあたっての能力ではないでしょうか?
先生「Be gentleman.(紳士であれ)」
生徒「紳士って何ですか?」
先生「それは、先生が決めることではありません。あなたが考えに考え抜いて決めるのです。」
そして、「Boys, be ambitious!」。
これも、社会や組織に従属しがちな日本人にこそ必要な「言葉」。
この「言葉」は、本当に大切な大切な日本人へのギフトです。
社会の荒波に飲まれそうになるなか、
この「言葉」は多くの日本人にとっての「灯台」となってきました。
もちろん、これからもです。
才能を与えられた若者よ!
今の崩れ落ちそうな日本や世界を変える程の「大志」を抱け!
今や、日本は沈み行く舟。
この激動期の日本にこそ、私はこの「言葉」を再拡散したい。
「Boys(& Girls), be ambitious!」
そして、最後にこの「言葉」の続きをお届けします。
“Boys, be ambitious.
be ambitious not for money or for selfish aggrandizement,
not for that evanescent thing which men call fame.
be ambitious for that attainment of all that a man ought to be.”
青年よ大志を抱け。
金銭や私欲のためにではなく
また名声という空しいもののためでもなく。
人間として当然そなえていなければならぬ
あらゆることを成しとげるために
大志を抱け。