「優しさ」の正体を求めて

このブログのタイトル「優しい唄歌い」。
これは元々、私の描いた小説のタイトルであり、その小説の主人公であります。
 
もし、この『優しい唄歌い』を、まだ読まれていないようでしたら、
一度お目通しいただけると、嬉しいです。
さらっと読める、とても短い小説となっています。(こちらからどうぞ)
 
この小説のテーマは、
「世界」の理不尽で絶対的な「苦しみ」と、「人間」の か弱い けれども力強い「優しさ」。
あらすじは以下のとおりです。
恵まれた環境にいた主人公の「優しい唄歌い」が、
外の厳しい世界に出たときに直面した、人々に襲いかかる理不尽な「苦しみ」。
彼は、持っている物を全て苦しんでいる人に与えますが、それもすぐに尽きてしまいます。
「世界」の絶対的な「苦しみ」に比べたら、一人の人間の「優しさ」など か弱い 存在。
しかし、彼は諦めません。
彼は、与える物がなくても、心を込めて「優しい唄」を苦しむ人々に歌い続けたのです。
なぜなら、呪わんばかりの「苦しみ」の人生にあっても、
彼の「優しさ」に出会った人々は、「生まれてきてよかった」と笑顔になれるから。
 
この小説の内容は、後で考えると私の人生と少しオーバーラップします。
私の人生の最初は、大学に行き大きな会社に入るという恵まれた環境の中でした。
しかし、会社をドロップアウトし、世間の厳しさに揉まれていくことになります。
そこで出会ったのが、「世界」の理不尽な「苦しみ」に翻弄される人々。
事業に失敗し、借金取りへの対応に苦慮しながら、
深夜の仕事をこなして妻と子どものために生きる男性。
境界性人格障害に悩み、旦那の浮気に苦しんで離婚をして、
小さな子どもを育てるシングルマザーの女性。
そして、鬱の状態から抜け出せないその母親のもとで、
経済的にも非常に厳しい家庭に生きる心優しき男の子。
 
私も、この小説の主人公ほどではないですが、
困っている彼らに、できる範囲で経済的な支援をしました。
今でも、経済的支援を続けている先があります。
まあ、とは言っても、私は社会のレールからドロップアウトした身。
大きくぱっと渡すこともできないので、コツコツと支援をしています。
 
そういった、つなぎ程度の支援ですので、
彼らの根本的な苦しみが解決する訳ではありません。
私は、「世界」の理不尽さを憎み、「自分」の無力さを嘆きます。
 
しかし、小説にも描いたように、
他者に無限に渡せる「優しさ」の価値には、強く希望を抱いていました。
 
ただ、「優しさ」とは何か?
「優しさ」が素晴らしいものであるということは実感しているのですが、
その本質を理解してはいなかったのです。
 
この「優しさ」という生命のみが持つパワーの本質を知るために、
「優しさ」をテーマとした小説を描き、このブログを日々描いています。
 
この『優しい唄歌い』の小説を描いた当初は、わからなかった「優しさ」の本質。
ブログを1年描き続けた今、
「優しさ」のしっぽのところまで、掴めたかなという気がしています。
本質を掴めれば、「優しさ」のパワーをフルに活用できると私は信じているのです。
 
発電所に例えて言うと、「物」は有限の石油を活用して人に価値を供給する火力発電所です。
ただし、多くの二酸化炭素を排出してしまいます。
対して、「優しさ」は無限の太陽を活用して人に価値を供給する太陽光発電所です。
公害を発生させないクリーンなエネルギーと言えます。
今は、火力発電所の方が頼りになる存在ですが、
研究開発が進んでいけば、
きっと未来は自然のクリーンエネルギーを活用した発電方法にシフトしていくでしょう。
 
今までの「物」に頼った「幸せ」供給から、
「優しさ」という無限のクリーンエネルギーによる「幸せ」供給にシフトさせることができないか?
私は、今後も研究開発を進めていきたいと考えています。
 
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