最高の「会社」とは?(その2)

前回から、最高の「会社」とは何か?ということで考察を行っています。
 
考察を進める中で、私の頭に浮かんだのが、
金にものを言わせて、即戦力の大型選手を採りまくる巨人軍と
野村再生工場」と言われた野村監督の率いるチームの対比でした。
 
という訳で、早速読みました。
「野村の「人生ノート」夢をつかむ特別講義(野村克也野村克則著)」
 
読んで大正解。
最高の「会社」を考察する上で、とてもとても参考となるお話が描かれていました。
まさに、お宝を発見した気分です。
この本には、「人生」を生きる上での大きなヒントが書いてあります。
私のオススメです。
 
さて、最高の「会社」の話に戻ります。
そもそも、最高の「会社」とは何か?
単に、「稼ぐ」だけの会社は違うと思うのですね。
対外的な観点から言えば、「稼ぐ」以前に、社会に「貢献」することが必要でしょう。
「貢献」して、社会的な存在意義を得てから、なおかつ生きるための「稼ぎ」を得る。
利益を得ることが難しいこのご時世に、
「稼ぎ」のみを近視眼的に得ようとしてはいけないとするのは難しいかもしれませんが、
まず自分達は「社会」にどんな「貢献」ができるのか?ということを考えることは
常に念頭に置くべき事項だと思います。
 
なぜなら、「稼ぎ」を追うか、「貢献」を目指すかで、
構成メンバーの「会社」に対する存在意義も変わるからです。
単に「稼ぎ」のみを追う会社なら、「稼ぎ」ができるメンバーの存在意義が強くなります。
組織構成も近視眼的になり、よい間接部門のメンバーはいなくなるでしょうね。
そうではなくて、社会への「貢献」を目指す会社であるならば、
構成メンバーにも「貢献」が求められます。
「稼ぎ」を行う営業社員も、会社の発展に「貢献」する間接部門の社員も、
平等に会社に「貢献」することが評価される。
そして、彼らの「貢献」は、会社全体としての社会への「貢献」につながりますので、
彼らは「納得」して働くことができる訳です。
 
そして、会社が社会に「貢献」した結果、会社は社会から「信」を得る。
その「信」には、もちろん「稼ぎ」も含まれますが、もっと大事なものが含まれます。
それは、社会に必要とされること。
これこそが組織のメンバーのやりがいを醸成し、更なる「貢献意欲」につながる訳です。
当然、社内においても個々人の「貢献」に対して、「信」で報いる。
そして、「会社」の各メンバーが「信」で結ばれる。
これが、最高の「会社」というものではないでしょうか?
 
「会社」にとって「稼ぎ」は必要不可欠ですが、それは「主役」にはなり得ない。
「主役」を張るのは、「貢献」と「信」の美しい循環であると私は考えます。
 
そして野村監督の言葉を読み思ったのは、もう一人の主役「成長」のことです。
「会社」は「成長」して、より「貢献」できるようになると、
社会からより大きな「信」を得ることができます。
もちろん「会社」の「成長」には、各メンバーの「成長」が欠かせない。
ここでの「成長」は、「人間的成長」のことを指します。
 
「人間的成長」のすごいところは、それ自体が「喜び」となることです。
それゆえ「人間的成長」は、「貢献」と「信」の循環を回す大きな原動力となります。
 
これらの考察から、
最高の「会社」とは、そこに「人間的成長」の喜びが強烈に存在し、
「貢献」と「信」の循環がしっかりと回っている組織を指すと定義する次第です。
 
そして、最高の「会社」を創るにはどうしたらよいか?
私は、この野村親子の書籍を読み、
各メンバーが「人間的成長」できる場を創ることが重要だと考えました。
 
野村監督は、「人間的成長なくして技術的進歩はない」として、
キャンプ初日の夜は、「人生とは」という講義から始めるのだそうです。
また、野村監督が野球人生を通じて書き綴った「野村ノート」の中身は、
実は半分が「野球以外の人生論」で構成されています。
 
この「野球以外の人生論」が、とても重要なところです。
野球のチームでなくとも、どんな「組織」にだって通じる原理原則がここに記載されています。
すなわち、どのように「組織」に「人間的成長」を根付かせるのか?
最高の「会社」を創るための大きな鍵が、ここにあります。
どうやら、この問題の考察を進めるに際して、
私が常々模索してきた「人生」とは?という考察も、役に立てられそうです。
 
さて、次回のブログ記事では、
「人間的成長」を「会社」に取り入れる要点を具体的に紹介したいと思います。
 
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