もっと「月3万円ビジネス」(その1)

「月3万円ビジネス」というものを過去ブログでご紹介しました。
この話題は実は結構な反響を頂き、その反響の一つとして、
「月3万円ビジネス」の提唱者である藤村靖之先生の講演へのお誘いのメールを頂いたのです。
今日は、お誘い頂いた10月13日(土)開催の
藤村靖之とたのしごトーク」という藤村先生の講演のエッセンスを紹介しようと思います。
 
藤村靖之先生は、科学技術省長官賞や発明功労賞を受賞している工学博士でいらっしゃいます。
そして、長年発明起業塾という塾を開き、
延べ650名のお弟子さんの師匠として活躍されてきました。
また、非電化製品の発明や開発に携わり、
アフリカやモンゴル等の社会に貢献をされていらっしゃる方です。
 
当日は、藤村先生のお話も聴け、また「月3万円ビジネス」を発想するワークもあり、
とても楽しい時間でした。
さてまずは、「月3万円ビジネス」とは何か?私なりに解釈したことを簡単に説明してみますね。
 
「月3万円ビジネス」とは、
今までの「会社勤め」という時間を大量に犠牲にするライフスタイルから、
自営業を始めましょうというのが大筋の考え方です。
しかし、単に自営業を始めようとしても
起業というのはリスクが高いものなので、皆が狙える道ではありません。
そこで初期投資や固定費というリスクを最小にできるような
「月3万円」の粗利益(売上から仕入値を引いたもの)を稼ぐビジネスを
やっていこうとというのが「月3万円ビジネス」の考え方です。
しかし、たった「月3万円」では、どう考えても生活を維持することはできませんね。
そこで、複数の「月3万円ビジネス」をこなして生活していこうという訳です。
「月3万円」だったら、普通の会社は自社の事業として取りにいく領域ではありません。
だから今まで手つかずの領域であり、
「月3万円」であれば仕事のネタがそこら辺にごろごろ転がっている訳です。
 
じゃあ、「月3万円ビジネス」をいくつやれば生活していけるのか?
最低でも8個はやらないと生活できないかなぁ・・・と普通は考えるところですが、
藤村先生は、3個で十分と言います。
何故か?
空いた時間を自給自足に充てようと言うのです。
楽しみながらある程度の自給自足を行うことで、
生活や娯楽に必要な支出を減らすことができるからです。
 
また、「月3万円ビジネス」には大きな特徴がもう一つあります。
それは、「競争」から「分かちあい」への転換。
「月3万円ビジネス」では「お金」よりも「時間」を大事にします。
だから、一つの「月3万円ビジネス」の売上が3万円を超えてしまうようなら、
その仕事に関わる労働時間を短くして自由な「時間」を獲得するように動く訳です。
そのためには、時間を短くして取引できなくなったお客様を仲間に譲ってしまいます。
このように、「月3万円」を超える売上を不要と捉えた時、「競争」は消滅する訳ですね。
「競争」がなければ、人々は親切になり分かち合うようになります。
スキルやノウハウも親身に教えてくれるでしょう。
 
いかがでしょうか?
ざっと「月3万円ビジネス」について説明をしましたが、
イメージを持つことができたでしょうか?
 
しかし何故、今「月3万円ビジネス」なのでしょうか?
これについて、藤村先生は大きな時代の流れとして説明をされています。
藤村先生によると、今は歴史の大きな転換期であるとのことです。
今までの1000年はアングロサクソンの経済成長消費社会。
しかし現在は、経済成長至上主義に限界が見えてきています。
会社に身を捧げれば、一生の安泰を手に入れられる時代なんてとっくに終わっているのです。
本当に経済を成長させることが、自分達の「幸せ」につながるのか?
疑いを持つ人々が増えてきています。
藤村先生は、日本の既存の文明を「非倫理」「分断」「依存」と表現しています。
それぞれ説明していきましょう。
 
「非倫理」とは、
一般国民に「情報」を降ろさず「自分で考えさせないようにする」官僚支配のことです。
原発利権を見ていればわかりますが、日本の官僚は「倫理」を持たず暴走をしています。
 
「分断」とは、「分業社会」および「競争社会」のこと。
あらゆる仕事で分業化が進み、一人でできることは少なくなる一方です。
また「競争」が進展する社会では、
「共存」や「協力」を学ぶ場も減少する一方となっています。
 
そして「依存」とは、「消費社会」のこと。
人々は必要なものを作らずに買うようになりました。
人々の支出は増え、見合う収入を得るための仕事の選択肢は少なくなります。
日々の「消費」を賄うためには、嫌な仕事でも嫌いな職場でも頑張らないといけない。
一見華やか見える「消費社会」ですが、払っている代償は結構大きいのです。
 
上記のようなキーワードで表現できる現代社会は、実は今悪循環に陥っています。
それは、私たちの「時間」と「お金」に関する悪循環です。
その循環を、以下に説明します。
 ①支出の多い消費社会
 ②多い収入を得ようとする
 ③競争が発生する
  ※オリンピックの金メダルのように切磋琢磨する美しい競争でなく、
   負けると惨めになるというダメな競争
 ④負けたくないから勝とうとする
 ⑤自分の時間を削って仕事するようになる
 ⑥自由に使える時間の減少
 ⑦時間がないので、自分でつくらず何でも購入して済まそうとする
 ⑧消費社会の進展
 ⑨①に戻る
 
私たちの「幸せ」は、上記のような循環で恐ろしく圧縮されています。
このような社会で得をするのは既得権益者だけという構図なのです。
 
しかし今、本当の「幸せ」って何なの?という疑問を持つ人が多くなってきています。
特に「311」の震災と原発事故以来、こういった人達が増えてきているのです。
それは、日本だけのことではありません。
実は世界中で従来の消費資本主義社会に疑問を持ち行動を起こしている人々が
出てきている訳です。
 
藤村先生はおっしゃいます。今新たな時代が来ていると。
私もそう思う次第です。
 
藤村先生は、新たな時代を構築するであろう3つのキーワードを挙げていらっしゃいました。
それは上記既存文明を象徴する「非倫理」「分断」「依存」に対し、
「知る」「つながる」「つくる」の3つのキーワードです。
すなわち、官僚や一部の既得権益者だけでなく、皆が「知る」社会。
「分業」や「競争」ではなく、皆が「共存」する社会。
「消費」でなく、自分達で協力しながら楽しんで生活に必要なものを「つくる」社会。
 
これからの時代は、「経済的成長」の代償として失ってきたものを取り戻す時代です。
失ったものは「人間性」。
身体の成長を遂げ成熟した私たちは、
次に「人間的成長」を目指す「大人」の時代になってきているのです。
 
どうでしょう?
新たな時代は素敵だと思いませんか?
藤村先生曰く、今は文明の転換期であり、旧文明と新文明が併存する社会なのだそうです。
上記の「知る」「つながる」「つくる」という社会を素敵だと感じる人は、
きっと新文明に属する人々なのだと思います。
 
しかし、具体的にどのような形で新文明は実現されていくのか?
その方法論として提唱されているのが、「月3万円ビジネス」という訳ですね。
 
先週土曜日に参加した講演では、
皆で「月3万円ビジネス」のアイデアを具体的に形にしてみようというワークもありました。
私もその場でアイデアを出し、
藤村先生にアドバイスを頂いて結構いい「月3万円ビジネス」のネタができたように思います。
是非、紹介したいと思うのですが、
本日の記事は、かなりの長文になってきましたので、この続きは次回に。
具体的な「月3万円ビジネス」の作り方について、
講演会で聴いてきたことをご紹介していきたいと思います。
 
今回のセミナーとの出会いは私にとって、とても幸運なことでした。
たまたま「The Big Issue」に「月3万円ビジネス」のことが紹介されていて、
たまたま私がその号の記事を読み、興味を引かれて過去にブログで紹介しました。
そのご縁で、お誘いを頂き直接藤村先生のセミナーを聴くことができたのですから。
 
是非是非皆さんにも、この私の幸運をおすそわけしてつなげたいと考えています。
次回のブログも、「月3万円ビジネス」の肝が伝わるように頑張りたいと思う次第です。
 
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