「プラン」と「プラム」には同じ効用がある

「会社」の経営の基本は、「PDCA」であると言われています。
この4つのアルファベットは、
それぞれ「プラン」「ドゥ」「チェック」「アクション」の頭文字であり、
日本語にすると「計画」「実行」「評価」「改善」ということになります。
 
すなわち、「実行」だけではダメですよということです。
「実行」する前に、しっかりと「計画」し、
そして「実行」後にはしっかりと結果を「評価」して、
未来への「改善」に結びつける。
 
これは、「会社」の経営に限った話ではありません。
「人」の営み全てが、この「PDCA」の対象となります。
なぜなら、「会社」と同じように、「人」も「成長」という目的を持っているから。
 
しかし、「人」も「会社」も、
ただただのんべんだらりと「実行」のみの「人生」や「経営」になりやすい。
私も、「実行」だけをずるずると行う弱い人間の一人です。
 
しかし、「実行」するだけというやり方が本当に楽なのか?と言うと、
「そうでもない」というのが、最近気づいたことです。
 
それは、多くの「仕事」をこなしている中で気づきました。
たくさんの「仕事」をこなさなければいけない苦しい状況の中で、
ただ手当たり次第に目の前の仕事をこなしていくのは、本当に辛いことです。
しかし、最初にやるべきことを整理してそれぞれの作業に優先順位をつけると、
以降の実際の作業を精神的に楽に遂行していくことができます。
 
「計画」という手順を追加すると、余計な作業が増え遠回りな感じがしますが、
仕事中の精神状態は段違いに向上する訳です。
精神的な感じ方で言うと、
「計画」が完了して頂上へのルートが見通せるようになると、
ほぼ「仕事」の半分が完了した気になります。
「人」は、機械やロボットではないので、
物理的な作業量のみが単純に負荷になる訳ではなく、
精神的な状態も大きく負荷として影響します。
例え、物理的に厳しい状況でも精神的な状態がよければ、
「人」は仕事のボリュームに負けることなく進んでいくことができるのです。
 
「青梅、渇を癒す」
中国の三国志時代に、曹操という英雄がいました。
炎天下の行軍中に水が底をつき、兵が渇きに苦しんでいるのを見て、
兵達にこう言ったそうです。
「この先に行けば、小梅の熟した梅林がある」と。
それを聞いた兵達は、梅の酸っぱさを想像し喉につばが湧き、
渇きを凌ぐことができたそうです。
しかし、実際には梅林があるというのは曹操の嘘でありました。
例え物理的な源泉がなくても、「人」は「人」に力を与えることができる訳ですね。
精神的な支えがどれほど「人」に影響を与えるか、よくわかるお話だと思います。
 
実際、皆さんもご存じのとおり、
戦において兵士の「士気」というものは、戦況を大きく左右する重要な要素です。
しかし現代においては、従業員の「士気」を自ら下げている経営者も多いように思います。
別に「給料」だけが従業員の「士気」を左右する訳ではありませんから、
過去の優秀な武将達の行いを見て「士気」の上げ方を研究することは、
経営を行う上での重要な鍵になると、私は考えるのです。
 
さて、話が脱線しましたが、
「人」が生きていく上でも、この「士気」は超重要なファクターです。
 
進む先に「梅林」がないとわかっていても、自分を騙して仕事という行軍を遂行したい。
しなければならない。
 
そういう時には、「計画」をしましょう。
「計画」をすれば、精神的に大きな推進力を得て、私たちは前に進むことができるのです。
 
年末となり、そろそろお正月が近づいて来ました。
「一年の計は元旦にあり」
大きな「計画」から、日々の仕事の小さな「計画」まで、
来年は「計画」にこだわる一年にしたいなと思います。
 
私たちが心しておきたいことは、
「計画」すれば、すぐに精神的な「幸せ」がやってくるということです。
「計画」して、物理的な「幸せ」に到達するまで待つ必要もありません。
 
「人生」は「炎天下」。
されど、この先に「梅林」あり。
本当の未来がどうなっているかなんて誰にもわからないけど、
先を想像することで「人」は「幸せ」に前進することができるのです。
 

 
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