立花隆著「臨死体験」

今日は、書籍を紹介したいと思います。
「人」って何だろうっていう関心をお持ちの方には、お勧めの1冊です。
ゴールデンウィーク後半のお供にいかがでしょうか?
 
さて、今回ご紹介する書籍は「臨死体験立花隆著)」。
立花隆さんをご存じなければ、
「うわっ、なんだか怪しげなタイトルの本だな・・」と思われることでしょう。
 
そこで、まずは立花隆さんの簡単なご紹介を。
ウィキペディアこちらです。
立花隆さんの本は、少し大きめの本屋さんに行けばたくさん置いてあると思います。
ウィキペディアに記載されていた著書数だけでも81冊。
また、政治分野、最先端科学、宗教等、多くのジャンルの執筆があります。
上記の中で、私が読む機会が多かったジャンルは最先端科学です。
物理学や脳科学等、立花隆さんの興味に沿ったジャンルの科学者にインタビューをして、
現在の最先端ではどのようなことまでわかっているのか、
わかりやすく紹介してくれています。
専門的で学術的な部分には踏み込まず、
科学者ではない一般の人々が興味をひく部分をクローズアップしてくれるので、
一般の読者は知的好奇心を十分に満たされる訳です。
 
ところで、立花隆さんの書籍の著者紹介文で、
必ず登場する立花さんのキャッチフレーズがあります。
それは、「知の巨人」というキャッチフレーズです。
立花さんの膨大な知的好奇心による膨大な読書や取材等の情報収集活動に基づく膨大な知識量。
その圧倒的な知識量から、「知の巨人」と呼ばれているのです。
 
このように、幅広くバランスのとれた知識をお持ちの立花さん。
そんな立花さんが書いた1冊が、「臨死体験」なのです。
 
精神・思想分野に偏った主観的な論点でもなく、
かと言って科学万能主義のような偏狭な観点でもなく、
あくまで客観的で公平な観点から、
臨死体験」への取材内容や考察が執筆されています。
 
一般的には、「臨死体験」は脳が見せる「幻」であるという説が有力です。
書籍中には、これは「幻」ではないかと結論づけられる事例も多く登場します。
このように数々の「臨死体験」の取材内容やその検証だけでも読んでいて面白いのですが、
私が最も興味深かったのは、最後に紹介されている「臨死体験」の事例です。
 
私も随分前に読んだので、記憶が定かではないのですが、
客観的に考えてこれだけは「幻」では片付けられないというような事例でした。
詳しくは、書籍で読んで頂ければと思いますが、
私はこの部分を読んで、
「人間には、体と分離できる主体のようなものがあるのではないか」
という感想を持ちました。
 
そして私は、こうも思ったのです。
余命何ヶ月という病気の方で「死」に怯えていらっしゃる方がいらっしゃったら、
その方にはこの本をプレゼントしようと。
それだけ、説得力のある内容だと思いました。
 
この本を読めば、「死」に対する考え方が変わる可能性がある訳です。
そして「死」に対する考え方が変われば、
「生」に対する考え方や「生き方」も変わってくるかもしれませんね。