「護る」

この「世界」は、「地獄」である。
 
そう想える人は、どの程度いるでしょうか?
 
私自身だけで考えれば、この「世界」は「地獄」ではありません。
なぜなら「幸い」なことに、私は恵まれた環境に生きているのですから。
 
しかし、周りに目を向けたら、「地獄」を生きる人はたくさんいます。
気づいていますか?
 
この「世界」は、あたかもあの悪趣味な映画「バトル・ロワイヤル」のよう。
「さあ、これからあなた達には殺し合いをしてもらいます」と言われて、
私達は生まれた。
競争し、奪って、そうして生きながらえる。
 
映画「バトル・ロワイヤル」では、「武器」は紙袋に入れて支給される。
銃を支給される人もいれば、何に使うかわからないロープを支給される人もいた。
私達だって、「才能」や生まれる「環境」は紙袋に入れて支給される。
運よく強い「才能」を手に入れた人、運よく恵まれた「環境」に生まれた人。
かたや、運悪く正反対の人々。
強い「武器」を支給された者は、弱い「武器」の人間を蔑む。
それは、現在社会の正義。
みんな同じ「一生懸命」に生きているのに・・・。
 
この「世界」を、「地獄」と思わない人は、
目をそらしている。
あるいは、「地獄」を生きる人を、自分と同じ人間だと思っていない。
 
私は、「地獄」を生きる人に目を向ける。
「共感」する。
 
そして、気づく。
この「世界」は、「地獄」であると。
 
苦しいけれど、その「地獄」をもっともっと見つめると、
「地獄」の正体が見えてくる。
それは、人の「欲」がもたらす「理不尽」。
それは、奪われて枯渇する有限の「モノ」。
 
私には、「護り」たい人がいる。
その人は、「地獄」に生きている。
それなのに、私なんかよりもずっとずっと「一生懸命」に生きている人。
 
今日、私は願をかけた。
今日から私は、もっともっと「一生懸命」に生きると。
 
どうかその人が、「地獄」の「苦しみ」から抜け出せますように・・・