「e=mc2」を「人生」に応用する

私は、「科学」や「心理学」「哲学」といった十分に吟味された知識を基に、
「人生」を「考察」することが大好きです。
 
世の中には、様々なハウツー本があふれていますが、
上記のように十分に吟味された知識群に基づかないアドバイスは、
普遍の「知識」でなく、単に個人の「見解」や「経験則」でしかありません。
外部から情報を吸収する際には、そこの区切りは意識しておくべきです。
 
ですので、例えば「物理学」がついに「心」の領域に到達した「量子脳理論」に触れた時には、
私は大変興奮しました。
 
「量子脳理論」を提唱しているのは、ロジャー・ペンローズというイギリスの科学者。
この方はスティーヴン・ホーキング博士と共に
ブラックホール特異点定理を証明し、「事象の地平線」の存在を唱えました。
(ロジャー・ぺンローズ博士のウィキペディアは、こちら
(量子脳理論のウィキペディアは、こちら
 
さてある時、私の上司から「仕事のスピード」についての持論をお聴きしました。
「速さ」は何よりも重要であると。
 
その根拠が私好みで、とても納得させられたのです。
 
上司曰く「エネルギーは速さの二乗に比例する」。
そう、これは「e=mc2(二乗)」のことを言っています。

「エネルギー」=「質量」×「光速度」の二乗
アインシュタイン博士が提唱した、最も有名で美しい「世界」を表す数式です。
 
なるほど、確かに「エネルギー」は「速さ」の二乗になっています。
そして実の仕事を振り返えってみても、「速さ」は重要であるなぁと思ったのです。
確かに仕事の「質」も大事だと思いますが、「速さ」があれば「数量」をこなせます。
この数式によれば、従来の「2倍」の「エネルギー」を会社(や「世界」)に提供するには、
方法は2つということになります。
すなわち、「質(質量)」を上げるか、「速さ(数量)」を上げるか。
そして、「2倍」の「エネルギー」を得るためには、
「質(質量)」は単純に「2倍」にしなければいけませんが、
「速さ(数量)」は「ルート2倍(1.41倍)」にするだけで良いということがわかります。
 
実際の感覚に合わせても、これはなんとなくわかるはずです。
100点の仕事をするためには、多くの「労力」を必要とします。
例えば70点の仕事をする「労力」を「1」とすると、
85点の仕事をするのは「2」、100点の仕事をするのは「4」くらいでしょうか?

つまり、仕事の「質」を追求して貢献度を高めることは、
最上を目指せば目指すほど大変なのだということです。
それは、二次関数の放物線グラフを思い描けばイメージできます。
横のX軸を「エネルギー」として、縦のY軸を「労力」とする訳です。
するとX軸を右(プラスの方向)に移動するためには、
右に行けば行くほど膨大な「労力」が必要となります。

 
一方、
「俺は「質」ではなく「量」をこなすことで100点の仕事(会社への貢献)をするんだ」
という人がいたとします。
「質」派の人は、「4」の労力を投じなければできないことを、
「量」派、すなわち「速さ」派の人は、「2」の労力でいいというのが上記数式の意味です。
そして、「速さ」派の人が「4」の労力を投入すれば、
200点分の仕事ができるようになります。
 
「ふ〜む、なるほど」という感じですね。
私の仕事スタイルは「質」派でしたので、この考え方には目から鱗が落ちました。
「速さ」にこだわった方が、「質」にこだわるよりも、大きな貢献ができる。
ということは、多少「質」を落としてでも、「速さ」にこだわる方がよさそうです。
「質」が落ちたことで「不誠実」という批判を受けたとしても、
「速さ」が上がって貢献できる量が飛躍的に伸びれば、
その行動は結果として「誠実」なことだと思います。
 
私達の持って生まれた「資源」は、「時間」と「体と脳」だけです。
そして、「時間」も「体と脳」も有限。
「時間」は多くても120年しか持てないし、「体と脳」は老化していきます。
 

「e=mc2(二乗)」

「エネルギー」=「質量」×「光速度」の二乗
 「質量」は私達の「体と脳」、
光速度」は私達の「時間の使い方」と言えるかもしれません。
 
私達は、この二つの資源を活用して、
「人生」という場で核反応を起こし、
「世界」に「エネルギー」を爆発させる存在なのでしょう。