「ぶらんぶら〜ん」

今日の朝、思い出したことがあります。
 
以前過去ブログでお話しした「Kくん」のことです。
サングラスを外してみる
シャボン玉飛んだ
 
これは描き留めておかなければならないと考え、
今日の記事に記します。
 
「世界」の「理不尽」の話です。
 
私と「縁」がある「Kくん」という4歳の男の子がいました。
その子の家庭は、母子家庭。
 
元々は、そのお母さんとネット上で交流をしていたのですが、
一度会うということになった時、「Kくん」と出会いました。
もう少し詳細な経緯は、過去ブログ「サングラスを外してみる」をご覧下さい。
 
出会った最初の日、「Kくん」はとても人なつこく、
「ぶらんぶら〜ん」してって私に言ってきました。
「ぶらんぶら〜ん」って何だろう?って思ったのですが、
それは、お母さんとお父さんが子どもの両側で手を繋いで、
子どもの手を上に引っ張って歩くと、子どもが空中を浮くというヤツです。
何となくイメージつきますか?
 
あれは、お母さんとお父さんが揃わないとできないので、
きっと「Kくん」は、それをやりたかったのでしょう。
 
「いいよ^^」って言って、「Kくん」を間に挟んでやってあげたら、
「Kくん」はとても喜んでいました。
そして、一日おしゃべりに付き合ってあげたりして、
「Kくん」は私にとても懐いてくれたのです。
おそらく、父親がいないという寂しさが、「Kくん」を愛想よく振る舞わせ、
そして私に懐いてくれたのだと思います。
 
その後も、大体1ヶ月に1〜2度会うようになりました。
お母さんに会いに行くというよりは、「Kくん」と遊ぶために。
 
ある時、「Kくん」から「お兄ちゃんにパパになって欲しいなぁ」って言われました。
その時の私の返事は、「そうだね。なってあげたいよ」。
 
結局Kくんのお母さんと私は、お互いに恋愛感情を持つことができませんでした。
私は彼女の求めるタイプでなく、彼女は私の求めるタイプでなく。
 
しかし、私は「Kくん」のためなら結婚してもいいと考えていました。
絶対に大学まで行かせてあげるんだと。
(「Kくん」のお母さんの了承もなしに、ぶっ飛んだ考え方でしたが・・)
 
また、こんなことがありました。
最初に会ってから1年くらい経過したときでしょうか、
「Kくん」がまた「ぶらんぶら〜ん」して!ってお願いしてきました。
私は「いいよ^^」って快諾したのですが、
お母さんの方は乗り気ではなく、結局片側の私だけが手を上に引っ張る形となり、
結局「ぶらんぶら〜ん」はできなかったのです。
その後、レストランに入り、ボックスシートに座ることになりました。
その時、「Kくん」はお母さんに腹を立てたのか、
「お兄ちゃんの方に座る!」って言って、私の方に座ろうとしたのですが、
お母さんがすごい剣幕で「なんでママの方に座らないの!!」って、
泣き叫ぶその子を無理矢理自分の隣に座らせたのです。
 
そのお母さんは、「Kくん」を所有物のように扱います。
また別のある日、お母さんが「Kくん」に質問をしたのです。
「Kくんは、誰が好き?」
そうしたら「Kくん」は、
「ママとお兄ちゃんとおばあちゃんと○○ちゃんと・・、みんな好き」って答えたのですが、
「ダメ!Kくんはママのことだけ好きじゃないと!」って
お母さんからきつく言われていました。
 
多分お母さんは、「Kくん」に深く依存をしていたようです。
 
一方当時私も、「Kくん」に依存している部分があり、
「そんな厳しい状況から、なんとしてでもKくんを助けたい」という想いで
当時を生きていました。
当時(今も?)の私は、自分のためには生きられず、
「誰かのため」という生きる指針が必要だったのです。
 
ある時は、折り紙の手裏剣を作って、
「Kくん」に「これ大事に持っていてね」と渡しました。
その手裏剣の中には、私の携帯の電話番号とメッセージを折り込んでいたのです。
「たすけてほしいときは、このでんわばんごうにでんわしてね」というメッセージを。
 
「Kくん」のお母さんと恋愛関係にあった訳でもなく、
私が「Kくん」と遊びに来るという不自然な環境がずっと続くことはないと
予期していました。
 
結局、「また来るね」と「Kくん」といつものように別れて、
そして二度と会うことができなくなったのです。
もうお母さんが会わせないと判断したら、もちろんそこで終了となります。
それは「Kくん」が6歳の時でした。
 
最後の別れの日、私は「Kくん」にボール紙でビー玉の迷路を作ってあげました。
「Kくん」はそれをとても喜んでくれて、すごい楽しそうに遊んでくれたのです。
そして、私は「Kくん」に宿題を出しました。
「Kくんも、ビー玉の迷路作ってみてね。今度お兄ちゃんにやらせて!」
 
宿題を出したまま、結局会えなくなってしまったのですが、
「Kくん」のお母さんからのメールによると、
「Kくん」はビー玉の迷路を一生懸命作っていたようです。
私は、「Kくん」との約束を破ってしまいました。
その迷路で、一緒に遊んであげなきゃいけなかったのに・・・。
 
今、涙が止まりません。
「Kくん」はちゃんとビー玉の迷路を一生懸命作ってくれたのに、
自分はどれだけ「Kくん」を落胆させたんだと!裏切ったんだと!!
 
 
「世界」は理不尽です。
それはもう、圧倒的に。
 
「Kくん」が今どんな人生を送っているかわかりませんが、
私は、「Kくん」がもし「世界」に苦しめられていたら、
私はその分優しくあって、理不尽な「世界」に一矢も二矢も報いてやります。
人々を苦しめてあざ笑っている「世界」に、せめてのもの復讐です。
 
初心を忘れていました。
私は誰よりも優しくあって、
理不尽な「世界」に「No!」をつきつけなければいけないのです。