雑草界のスタンダード「ヒメムカシヨモギ」
「ヒメムカシヨモギ」
名前は覚えにくいですが、
皆さん絶対に見覚えのあるポピュラーな雑草です。
(ウィキペディアは、こちら)
見たことありませんかね?
私は、このすらっとした真っ直ぐな立ち姿がとても印象に残り、
「この雑草は何て名前なんだろう?」って、ずっと気になっていたのです。
雑草の図鑑を買ってその名前を知ることができたとき、
私の知識欲が満たされて、とても嬉しい気持ちになりました。
しかもわかるのは、名前だけではないのです。
彼らの出身地、彼らの歴史、彼らのどんな能力を持っているのか?
今の時代は、彼ら「生命」の「人となり?」も簡単に調べることができるのです。
そういったことまでわかってしまうので、
私の知識欲は更に満たされ、私はとても「幸せ」な気分になります。
そしてその雑草と、少しお近づきになれた気がするのです。
さて、この「ヒメムカシヨモギ」についても、
私の「喜び」をお裾分けしましょう。
「ヒメムカシヨモギ」は、キク科の外来植物です。
明治維新の頃に、北アメリカから日本にやってきました。
文明開化とともに登場したこの雑草は、
「ご維新草」や「明治草」という呼び名で呼ばれていたようです。
彼らは、明治政府の重要な仕事であった鉄道敷設に伴って全国に広がっていきました。
ですので、「鉄道草」という別名も持っているのです。
こんなに多くの呼び名を持っているということは、
やはり彼らの真っ直ぐな立ち姿は、当時の人々の目をひいたのだと思います。
明治維新というまさに日本が変わろうとするその時、
江戸時代にはなかった目新しい目立つ雑草が鉄道の線路に一斉に生えているのを見て、
当時の日本人には「ヒメムカシヨモギ」が
何か象徴的な存在に見えたのではないでしょうか。
彼らは種子により繁殖し、秋に発芽して根生葉(ロゼット)で越冬します。
その後、春から夏にかけて真っ直ぐに茎を伸ばすのです。
その高さは、実に2mにも達します。
彼らの生存戦略は、その背の高さです。
ツル植物に巻かれないぐらいの早業(はやわざ)で、
一気に荒れ地の光の当たる上空部分を占拠します。
そのお手並みや、
豊臣秀吉が短期間で築き上げた墨俣一夜城に匹敵するのではないでしょうか。
さて、そういった訳で、
あなたは「ヒメムカシヨモギ」の存在を、もう知ってしまいました。
道ばたや空き地、どこにでも生えている雑草です。
是非、外に出たときに見つけてみてくださいね。
「愛の反対は無関心」です。
今まで雑草と一括りにして、彼らのことを無視して通り過ぎていましたが、
そんな彼らのことを知っていくことで、
彼らに「愛」を注ぐことができます。
何かを「愛」するなんて、実は簡単なことなのです。
「愛」には「好奇心」が必要。
私は、もっと人に対して、
雑草に対するものと同様の「好奇心」を持ちたいと想う次第です。
それにしても、私は雑草に「好奇心」を持てるのに、
なんで人には持てないんだろう?