空き地がすぐに「雑草」で埋め尽くされる理由

私には、長年の疑問がありました。
 
それは、建物が取り壊された空き地が、
なぜあんなにあっという間に「雑草」で埋め尽くされるのか?ということです。
 
風で種が飛んでくるのか?とも思いました。
しかし、はたしてあんなにたくさんの雑草の種が一気に飛んでくるものでしょうか?
 
何もないところに、繁殖サイクルの短いカビが一気に増えるのはわかります。
カビの胞子が一つでも付着したら、そこからどんどん分裂して増殖する訳ですから。
 
しかし基本的に、雑草の繁殖サイクルは1年以上。
ですから、空き地を埋め尽くす雑草たちは、同じ個体が増殖した訳でもないのです。
全ての個体が、別個の種を起源として生えています。
 
どうです?とても、不思議ではないですか?
 
この長年の疑問が、ある本を読んで解決しました。
「植物のあっぱれな生き方 生を全うする脅威のしくみ(田中修著)」という本です。
この本を読めば植物の生きる知恵を学べます。
私達は動物ですが、人間に限って言えば、植物に学ぶことも多いのです。
人間以外の動物は移動して環境を変えることが可能ですが、
私達人間は、職場や学校のような環境を簡単に変えることはできません。
ですから、生えてしまった場所で生き抜く植物の生きる知恵は、大いに役立つのです。
 
さて、冒頭の疑問に戻りましょう。
 
なぜ空き地は、あんなにあっという間に「雑草」で埋め尽くされるのか?
 
その答えは、「種(たね)」の特異な能力にあるのです。
 
1951年、千葉県検見川の弥生時代の遺跡から、三粒のハスの種が発見されました。
このハスの種の発芽育成を行ったところ、
そのうち一粒から発芽して成長し、花を咲かせたのです。
そのハスは、大賀ハスと名付けられました。

大賀ハスウィキペディアは、こちら
 
このハスの種は実に2000年間、遺跡の中で発芽の機会を待ち続けていたのです。
 
このように植物の種は、
生存に適する環境が現れるまでコールドスリープするカプセルの役割を果たします。
植物の種には、長い年月を地中で待ち続ける能力がある訳です。
 
そして実は、このような発芽できる状態を待つ種は、
あちこち至る所に、存在しています。
試しに、どこかから土を採ってきて、
光が当たるように容器に広げて、水をやり、暖かい部屋に置いてみて下さい。
何日も経たないうちに、多くの芽が出てくるでしょう。
(お子様の自由研究にいかがでしょうか?)
 
このことが示すことは、
土の中には既にたくさんの発芽を待つ種が蒔かれているということなのです。
 
むろん建物を壊した後の空き地の地中にも、
もともとたくさんの種が埋まっていました。
だから、邪魔な建物が取り壊されて光や雨という適した環境が復活すると、
種はそのことを感じ取って、一斉に芽を出したという訳です。
建物や道路の下の土には、今でも多くの植物の命が埋まっています。
 
結局、空き地に一斉に生える雑草は、
建物が建つ前に繁茂していた雑草たちだったのです。
彼らは長い年月耐えて、再び彼らの土地を取り戻したということになります。
 
私の住居の隣にできた空き地は、
いつの間にかエノコログサネコジャラシ)で埋め尽くされました。
ネコジャラシ関連過去ブログ
 
おそらくもともと建物が建つ前は、その土地はエノコログサの群生地だったのでしょうね。
 
まあそんな訳で、私の長年の疑問は無事に解決しました。
とても、満足です。
 
ところであなたには、そういった長年の疑問がありますか?
今はインターネットの時代ですから、
その疑問を試しに検索してみてはいかがでしょうか?
多くの人が同じ疑問を持っていることも多いので、
結構答えが見つかる可能性も高いと思います。
 
疑問は放置しないで、生きている間に解決するべきです。
疑問を放置したままで平気になってしまうと、
私達の中の大切な何かが失われるような気がします。
それは、流れに流されずに、疑問を持ち続ける力。
 
私にはまだ、「幸せ」とは何か?という大きな疑問が残っています。
この疑問は絶対に放置しないで、考え続けたいと想っている次第です。