ポケモンGOと「雑草」戦略

最近私も、ポケモンGOをやっています。
 
世界中で大流行している、全く新しい形のゲーム。
「これは、やってみないと!」と、私の好奇心が刺激されました。
 
ポケモンGOは、
「最初の1か月間で最もダウンロードされたモバイルゲーム」として、
ギネス記録を獲得したそうです。
また無料で十分に遊べるゲームであるにも関わらず、
「最初の1ヶ月間で最も売り上げを集めたモバイルゲーム」であり
「売り上げが最も速く1億ドル突破したモバイルゲーム」としてもギネス登録されています。
 
こんなものすごい記録を持つ、
おそらく歴史に残るようなゲームですので、
皆がやっているこの時期にポケモンGOを体験するのは、
後世への話の種として「あり」だと、私は考える次第です。
 
お金がかかる訳でも、ありません。
「社会現象を起こすこのゲームは一体何者なのか?」
是非好奇心を持って少し体験されることを、オススメします。
 
新しいモノに飛びつく「好奇心」は、
これから更に加速度的に変化していく社会環境の中で
とても重要なな資質だと、私は考えるのです。
環境変化に適応した「生物」が、
いつも新たな時代を切り拓いてきました。
  
さて、このポケモンGOを運営している会社は、
ナイアンティックという会社です。
ウィキペディアは、こちら
現在は独立していますが、もともとGoogle内のチームのようですね。
 
Googleが仕掛け人となると、私は勘ぐってしまうことがあります。
このポケモンGOは、何か全世界を巻き込んだ「社会実験」ではないかと。
 
様々な人間が一定の条件下で活動を行ったときに、
どのような行動パターンを採るのか?
統計的にデータを採ったら、面白い結果が得られそうです。
 
さて私も、ポケモンGOを生物的な戦略の存在するゲームとして注目しています。
このゲームの要点は、以下の通りです。
・陣取りゲーム
・プレイヤー同士は戦えない
・陣取りをするための成長するための栄養は、
 他のプレイヤーから奪うのでなく、自然に湧き出る栄養を摂取する
 
これって植物の生存ゲームだよねって、私は強く感じています。
 
まず「プレイヤー同士で戦えたらよいのに!」という声が強いのにも関わらず、
プレイヤー同士では戦えないようにしている点に注目です。
動物のように他者を狩る能力が重要なのでなく、
植物のようによい陣地を獲得することが重要となります。
 
よい陣地とは、あまり人が来ない競合のいない陣地のことです。
ですので私は、山道の中にあるような僻地の陣地を狙いに行きます。
 
ポケモンGOで大切な果実は、陣地を占拠して、21時間毎に得られるコインです。
このコインは、上記の方法以外で入手するためには実際に課金をしないといけません。
 
私はこのコインをいくらか所持していますが、
それは僻地を陣取るという方法で得たものです。
 
町中の陣地は、そもそも私の持つポケモンよりも全然強いポケモンが守っているので、
私のポケモンでは歯が立ちません。
そういう意味では、私は「雑草」です。
「雑草」は、森林を形成するような強い植物には競争で負けてしまいます。
町中の陣地を守る強いポケモンを目の当たりにして、
「ああ、他の活路を探さないと」と考えるのです。
 
先日このブログで、植物の生存戦略として「CSR三角形」の話をしました。
(過去ブログは、こちら
CSR三角形」によれば、植物のサバイバルの活路は以下の3つです。
(1)環境負荷が小さく環境変化が少ない生育場所に適応した競争戦略(Competition)
(2)環境負荷が強く環境変化の小さい生育場所に適応したストレス耐性戦略(Stress)
(3)環境負荷が小さく環境変化の大きい生育場所に適応した撹乱依存戦略(Ruderal)
 
(1)は、強い植物の戦略。
 ポケモンGOで言えば、
 町中で強いポケモンを使って陣地を占有してコインを獲得する人達です。
 私のポケモンなんかでは、本当に歯が立ちません。
 
(2)は、弱いけど独特のスキルで他の植物では生存不能な環境で生きる植物の戦略。
 砂漠に生えるサボテンが典型例です。
 ポケモンGOで言えば、
 私のように山道に入って他者が到達できない陣地を狙う人達と言えます。
 
(3)は、弱いしサボテンほどの独特のスキルも持っていない「雑草」の戦略。
 この戦略を採る植物は、環境変化の激しい環境に活路を見出します。
 例えば、人が活動する町のような環境では、
 木が生えていてもいつ造成されるかわかりません。
 草も常に刈り取られるリスクがあり、
 環境的には日当たりもよく好ましいのですが、
 そこに生きる植物は、
 人間等の手によってどんどんどんどん交代していく宿命にあるのです。
 そういった環境では、雑草のように小回りの利いて繁殖力の強い植物種が、
 その一帯で繁栄します。
 ポケモンGOで例えれば、町中の行きやすい場所にある陣地ですが、
 過剰に人通りが多いため、常に誰かに奪われるような競争過多で不安定な陣地のことです。
 実はポケモンGOでは、守るよりも攻める方が有利にバランス設定されています。
 ですので、毎日陣取っている人が異なっている
 下克上のような陣地が多数存在するのです。
 私も、奪い合いの後、まだ守備がきちっと構築しきれていない陣地に出向き、
 手持ちのポケモンで一時的に勝利を収めることもあります。
 変化の激しい環境は、弱い植物にも繁栄のチャンスをくれる訳です。
 
とこのように、ポケモンGOというゲームでは、プレイヤー同士の戦いがなく、
土地から湧き出る養分でポケモンを成長させて陣取り合戦が展開されるので、
植物の生存戦略のシミュレーションという側面を強く持っていると、私は考えます。
 
果たして、どのような生存戦略を採る人々がパターンとして現れるのでしょうか?
その答えは、
ポケモンGOを運営しているナイアンティック社だったらわかるのかもしれません。