ホームレスの方のIQ

東京の池袋で、臨床心理士がホームレスの方の知能調査を行ったところ、
34%の方々がIQ70以下であることがわかったそうです。
70未満は、知的機能障害の疑いがあるとされるレベルなのだそうです。
 
つまり、障害者福祉の観点から救済が必要な方々が、
ホームレスの中に多数いらっしゃる訳です。
 
あなたはホームレスの方々に、どのようなイメージを持っていますか?
私は、かつて「怠け者」「汚い」というイメージを持っていました。
 
私の家の近所には、昔からバタ屋さんという、
リアカーを引いてダンボールを回収するホームレスの方々がいらっしゃいました。
 
子供の頃、バタ屋さんに回収してもらうために親が家の外に出していたダンボールで
遊んでいたときのこと。
バタ屋さんが回収のためにダンボールに近づいてきました。
それを見ていた親が、「汚いから離れなさい」と言ったのを今でも覚えています。
 
それを聞いたバタ屋さんは、きっと悲しかったでしょうね・・・
 
そして、ホームレスは「怠け者」の人がなるものだと教わってきました。
 
ただ実際には、ホームレスの方々の環境はとても苛酷です。
冬は夜寒くて眠れず、
太陽が昇るまで夜は凍えないようにずっと歩き続けるという話を聞いたことがあります。
単なる「怠け者」だったら、ホームレスの方々の劣悪な環境には耐えられずに、
アルバイト等で生計を立てるべく努力するでしょう。
 
より正確に表現するなら、「怠け者」だからホームレスになるのではなく、
「社会に適応する力がない」からホームレスにならざるを得ないということだと思います。
 
そのことは、34%の方々がIQ70以下という今回の調査結果からも裏づけされます。
 
ホームレスの方々を、自業自得という目で見てはいけません。
私やあなたに与えられた「才能」が、彼らには与えられなかった。ただそれだけです。
「才能」が与えられなかったという不運のために、
彼らは地獄のような苦しみを味わっています。
たまたま「才能」を与えられた私は、
不運にも「才能」を与えられず苦しんでいる人々のために、
この「才能」を使って得たものを分け与える必要があるように思います。
 
今は、ホームレスの方々を支援できる便利な仕組みがあります。
以前にも紹介しましたが「THE BIG ISSUE」という雑誌です。
この雑誌の販売員はホームレスの方々です。
300円でこの雑誌を購入すると、160円が販売員であるホームレスの方の収入となります。
 
雑誌の記事の内容もとても面白いですよ。
ゴシップや宣伝的な記事は一切なく、
良心とかソーシャルという切り口の記事が目立ちます。
著名人も登場しますが、そこで取り上げられる題材は、
彼らのカッコよさや面白さではなく、彼らの良心とか社会的な視点とかです。
いつもとは違った、著名人たちの一面を見ることができます。
 
駅前にいることの多い「THE BIG ISSUE」の販売員達。
彼らを見かけたら、是非一度彼らに声をかけて雑誌を買ってみることをお奨めします。
心の中の色眼鏡が消えて無くなり、世界の色彩が以前よりも豊かになるはずです。