怪しい存在感のオオミズアオ



 
今日は、お客様を訪問する途中の道で、
手の平よりも少し小さいくらいの存在感のある蛾を見つけました。
その存在感に感心した私は、
さぞ名のある蛾であろうと写メを撮り、後で調べることにしました。
 
調べた結果、この虫は「オオミズアオ」と言って、
北海道から九州まで日本中でよく見かけられる蛾だそうです。
 
少し青みがかった独特の白色の羽。
フサフサゲジゲジの触覚とか気持ち悪いんですが、
何となく見入ってしまう怪しい美しさを感じます。
大きさも手の平よりも少し小さいくらいなので、
比較的人の目をひきやすい存在です。
 
ウィキペディアによると、
幼虫は、緑色の芋虫でモミジ、サクラ、リンゴ、ウメなどの葉を食べるそうです。
そうして、初夏もしくは夏に蛹から成虫になるとのこと。
なんと、成虫は口が退化しており、モノを食べたり飲んだりすることができないらしいです。
 
セミと一緒で、幼虫時代が彼らの人生の本番で、
成虫は最後のお勤めという感じなのでしょうね。
 
私は、こんな人生の過ごし方を少し羨ましいと思ったりします。
人間は、青春時代を過ぎると後は老いていくだけ。
死ぬ前に綺麗な蝶に羽化して一花咲かせるなんてことはできません。
 
死ぬ間際に、大きく姿を変え空まで飛べるようになる彼らは、
老い続けた先に死が待ち受けている他の動物なんかよりも
きっとうまく死を受け止められるんじゃないかなという気がしています。
 
ところで、日本では蝶と蛾は別物として認識しています。
なんとなく見た目で、蝶か蛾かは判断できますよね。
英語でも蝶は「バタフライ(Butterfly)」、蛾は「モス(Moth)」。
英語圏の彼らも区分している訳です。
 
しかし、フランス語では蝶も蛾も「パピヨン(Papillon)」と呼ばれます。
フランス人の方々は、蝶も蛾もあまり区別して眺めていないのかもしれませんね。
これが文化ってヤツなんでしょうか。
 
今回見つけたオオミズアオは、「蛾」というよりは「パピヨン」と表現した方がしっくりきます。
なんか「パピヨン」という感じのものすごい怪しい美しさを醸し出しているんです。