節足動物界の忍者。ヤツは「糸」を使う。
今日、久しぶりに皇居ランをしました。
今回の皇居ランで気づいた自然の変化は、
クモの巣があちこちに張られていたことです。
季節的に、「クモ」の子がわぁって散らばって、
一斉に巣をつくり始めたんじゃないかなと予測しています。
家に戻り、今日も、日常から得た素朴な好奇心を、
ウィキペディアを使って人生を豊かにする知識に変換しました。
「クモ」のウィキペディアはこちら。
「クモ」も調べると実に面白い。
例えば、「クモ」って空を飛べることを知っていますか?
子グモは「糸」を出して、その「糸」を風に吹かせることによって、
タンポポの種子のように空を飛ぶそうです。
この習性をバルーニングと言います。
この習性により、「クモ」は陸上のいたるところに分布しています。
砂漠、高山、森林、草原、湿地、海岸。
インドネシアで火山活動により新たな島が誕生したときに、
生物の移住について調査が行われました。
最初にやってきた生物は、「クモ」だったと報告されています。
「クモ」は、大部分が肉食性のハンターです。
ハンティングの手法により、彼らは大きく二つのグループに分類されます。
すなわち、網などのトラップを仕掛ける造網性の「クモ」と、
ハエトリグモのように網を張らず己の身体能力で獲物を狩る徘徊性の「クモ」です。
また、全ての「クモ」は「糸」を出します。
例えば、造網性でも徘徊性でも、全ての「クモ」は歩くときに
常に必ず「しおり糸」という「糸」を引いて歩いています。
敵から逃れるためにその場から落ちたとしても、
再び「しおり糸」をたぐって元の場所に戻ることが可能なのです。
また、素早い昆虫等の獲物の動きを封じるためにも「糸」は活用されます。
獲物に噛み付く前に、「クモ」は「糸」を獲物に絡めて動きを封じるのです。
「クモ」の「糸」の強度は驚異的です。
同じ太さの鋼鉄の5倍の強度を誇ります。
また、伸縮率も同じ太さのナイロンの2倍。
理論的には、鉛筆程度の太さの「クモ」の「糸」で作られた巣で、
飛行機を受け止めることもできるようです。
沖縄の石垣島では、
日本最大の「クモ」であるオオジョロウグモが
巣にかかったツバメを捕食している姿を確認されています。
ところで、「クモ」は「虫」というくくりで昆虫と混同されることも多いですが、
昆虫とは全く別グループの動物です。
陸上を制した節足動物の王者は昆虫ですが、
「クモ」は昆虫以外の節足動物として、昆虫と互角に渡り合う数少ない存在だと言えます。
昆虫も本当に高性能ですので、
他の節足動物のように、「クモ」も進化のサバイバルレースに敗れてもおかしくなかった。
しかし、彼らは「糸」というトリッキーな道具を編み出しました。
この道具の使い方を華麗に進化させ、「クモ」は今日も世界中の陸地で繁栄を続けるのです。
人間は、たまたま高度に発達した脳と出会い、その脳を最大限に活かしました。
「クモ」は、ある日「糸」に出会ったのです。