この世界で最も研究されるべき学問

もしドラ」こと
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が
映画化もされて流行しています。
今まで、なじみのない学問だった「経営学」が、
この作品によって少し世間にも身近になったのではないでしょうか。
 
経営学」は、「一企業」の発展・生き残りを目的とした学問であると言えます。
企業は、国の経済を支える大事なパワーの源泉。
ドラッカー博士を始めとした多くの学者が、
研究に人生を費やし、この学問を発展させてきました。
 
私は、「経営学」は世界全体の豊かさ増進に繋がるので、
人間の幸せに貢献する重要な学問であると考えています。
企業経営はゼロサムゲームではありません。
一企業が儲かったら、その分他の企業が損をするという単純な構造ではないのです。
企業がそれぞれ独自の生存領域をみつけ、それぞれの強みを活かして高い価値を生み出すことで、
企業全体で得られる富の総量を増大させることも可能となります。
イメージとしては、砂漠の植物がわずかな養分の奪い合いをするのではなく、
それぞれの植物が独自の得意分野で頑張って、
砂漠を熱帯雨林のような状態にしてしまうような感じでしょうか。
「個」がそれぞれ自分にあった戦略で頑張ることで、
奪い合いになることなく「全体」をハッピーにすることも可能な訳です。
 
ところで、私はこの「経営学」よりも、人類にとって重要な学問があると思っています。
その学問の対象は、「一企業」ではなく「一個人」。
そして、その学問の目的は「一個人」の発展・生き残りです。
 
「一企業」の発展・生き残りの手段は、
経営学」という形で本当によく研究されているのですが、
「一個人」の発展・生き残りの手段は
これまで真面目に学問として研究されたことはないと思います。
 
これには理由があります。
近代まで、国家や社会の中で「一個人」の幸せなんて重要視されていなかったから。
戦争を思い浮かべてもらえればわかる通り、
「一個人」なんて国家の駒の一つにすぎなかったのです。
 
現代になってようやく「個人」の時代が始まりましたが、
いまだに「一企業」のサバイバル学である「経営学」は存在しても、
「一個人」のサバイバル学である学問は存在していない状況です。
 
「一企業」にとっての「利益」を「一個人」にとっての「幸せ」と考え、
「一企業」にとっての「倒産」を「一個人」にとっての「自殺」と捉えれば、
十分に「経営学」のような学問を構築することは可能だと思います。
 
この名前すらない「一個人」のサバイバル学を、
どなたか学問として提唱していただけませんかね。
そして、学問として成立したら、
ドラッカー博士のような優秀な方々に研究を深めていって欲しいと思います。
 
各「一個人」が独自の強みを持って創意工夫して社会に価値を提供できる世の中になれば、
社会全体が活性化し、社会全体の幸福度が向上するはずです。
学問として研究する価値は十分にあります。
 
とりあえず、「経営学」の中にも
「一個人」に活用できそうな知識がたくさんありますので、
今後の私のブログでは、「経営学」の知識を紹介しながら、
それを「一個人」ではどのように活用できるか検証する記事を載せたいと思います。
 
この「一個人」のサバイバル学。
既に誰かに命名されているかもしれませんが、
私のアンテナにはまだひっかかってきていません。
私のブログでは、とりあえず仮に「生存学」とでも名づけて、論を展開したいと思います。