ラジオ体操 「1!2!3!」

夏休みといえば、ラジオ体操。
多くの子ども達が、首からカードをぶら下げて朝から元気にラジオ体操に参加しています。
 
全国ラジオ体操連盟のホームページによると、
実に、2,600万人〜2,800万人の方がラジオ体操を行っているのではないかと推測されています。
これは、地味にすごい人数ですよね?
 
だからでしょうか?
夏休みのラジオ体操では、参加した人々に無償でヤクルト等の景品が配られます。
これは、サンプルマーケティングという手法です。
例えば配られたヤクルトをおいしいと感じれば、
スーパーに行った時にヤクルトをカゴに入れる可能性は高まります。
 
私が子どもの時は、友達との帰り道に、
ラジオ体操でもらったヤクルトを飲むのが、とても楽しみでした。
私にとってヤクルトの味は、あの輝かしく素晴らしい時代の夏休みの味。
そして、子ども時代の思い出の一部となった商品は、
大人になってもその好ましいイメージが引き継がれます。
生涯にわたって、その商品に好ましいイメージを持ってもらうことは、
マーケティングの究極の目的なのです。
私は今でも訪問先等でヤクルトを頂くと、子どもの頃の笑顔になります。
 
ところで突然話が変わりますが、
マクドナルドには、子どものバースデイパーティが開けるサービスがあります。
ホームページを見ると、お店の人も参加して目一杯子どもを楽しませてくれるようですね。
クイズやゲームをしたり、一緒にハッピーバースディの唄で祝ってくれたり。
お友達も一緒に参加してくれて、子どもにとってきっと楽しい誕生会になることでしょう。
実はこれも、マーケティングの狙いが込められています。
子どもの時に、マクドナルドに好ましいイメージを持ってもらえれば、
高校生になっても社会人になっても親になっても、
マクドナルドを使ってくれる可能性は高まる。
実に長期的な視点の作戦なのです。
 
このように、「子ども時代の思い出マーケティング」は強力で長期的な効果が望めます。
私は企業さんに提案したいのですが、
夏休みのラジオ体操に、子供が喜ぶサンプルをどしどし提供してみてはいかがでしょうか?
私は、かなりの効果があがるのではないかと睨んでいます。
その子どもが生涯にわたって、
商品に好ましいイメージを持ってくれるかもしれませんよ。
 
さて、マーケティングの観点とは別に、
社会の心身の健康を増進するために、もう一つ提案したいことがあります。
 
それは、そろそろラジオ体操の次の体操を創造すること。
ウィキペディアによりますと、
ラジオ体操は1928年にスタートした84年の歴史を持つ歴史の長い体操です。
 
そろそろ、現在の環境に合わせた新しい体操を編み出してもよいのではないかと思います。
今は「体」の健康も大事ですが、「心」の健康も負けないくらい大事な時代です。
だから、「ヨガ」「瞑想」「太極拳」「丹田での呼吸」のように、
「心」を健やかにする要素を取り入れた体操を創ってほしい。
2,600万人〜2,800万人が、ラジオ体操をやっている訳ですから、
その人達が一斉に、
「心」を健やかにする体操をやり始めたらきっと社会全体の効果も大きいはずです。
それに、そのような効用があるとの認識が広がったら、
ストレスを抱える社会人も、忙しい時間の合間を縫って参加するかもしれない。
それに子どもたちも、これから待ち構える悩み多き人生で
頼りになる「心」を健やかにする手法を手に入れることができます。
 
鬱が蔓延し、自殺者が年間3万人の日本にとって、
のんびりと80年前から変わらないラジオ体操をやり続ける余裕はないように思います。
各町内会の方には是非「心」の健康向上を取り入れた体操を検討してほしいですし、
厚生労働省の方や政府の方には、
現代社会に通用する「新ラジオ体操」を是非創ってほしいのです。
 
「ラジオ体操」ができた頃の精神は、「健康増進・衛生思想の啓蒙」。
今、改めて問いたいと思います。
「ラジオ体操」を2,600万人〜2,800万人もの人々が集まって
朝っぱらから行う意味は何でしょうか?
「惰性」ですか?単なる「町内会の定例行事」ですか?
 
是非、今の日本にとって意味のある「新ラジオ体操」を実現してほしいと思います。
もしくは、各町内会の方々にも
「ラジオ体操」の代わりに独自の体操を取り入れることを検討してほしいと思うのです。
 
効果は非常に大きいはず。
私も協力しろと言われれば協力しますので、ちょっと検討してみて頂けると嬉しいです。