Send out it forward

ペイ・フォワード」という小説を読みました。
以前ブログのコメント欄で紹介頂いた小説です。
 
キャサリン・ライアン・ハイドという女性作家による作品で、
映画化され日本でも上映されました。
 
原作の英語のタイトルは「PAY IT FORWARD」です。
あらすじは、トレヴァーという主人公の少年が、
学校の先生から出された「世界を変える方法を考え、それを実行しよう」という課題に対し、
少年が考えた方法が実際に世界を変えていくという内容になっています。
ウィキペディアは、こちら
 
トレヴァーの考えた「世界を変える」方法とは、
自分が受けた思いやりや善意を、その相手に返すのではなく、
別の3人の相手に渡すというものでした。
実際に彼は「善意」を渡す3人を見つけ、「善意」を実行します。
もちろん、立ち消えになる「善意」も数多くありましたが、
いくつかの「善意」は、様々な紆余曲折を経ながら最終的に「世界」に伝播したのです。
 
この小説に登場する人々は、決して「幸せ」な人々ではありません。
トレヴァーは、アルコール依存症の母を持つ母子家庭の少年です。
また、トレヴァーに課題を出した先生は、
かつてベトナム戦争に参加し、顔に大きな傷跡を持っています。
他にも「善意」を伝播する人々は、何らかの不遇を抱えているのです。
 
おそらくそういった人々だからこそ、
他者からの「善意」の本当の価値を知っているのだと思います。
だからこそ、受けた「善意」に「心」が動き、実際に「行動」に移したのでしょう。
 
「善意」の伝播という意味では、私も一つ経験があります。
それは、昔電車での移動中に受け取った「善意」のお話です。
 
ある日私は、お客様からの仕事帰りに、疲れて電車の席で寝てしまいました。
電車の終点で降りて乗り換えなければいけなかったのですが、
熟睡して一人電車で寝ている私。
その電車は駅員が車内を巡回をせずに、すぐに折り返しの発車をする電車でした。
そのまま寝ていたら、私はどこか遠方に運ばれてしまったと思います。
 
しかし私は、ある親切な女性に肩を揺すられ「終点ですよ」と起こしてもらったのです。
夢うつつで、その女性の顔も覚えていませんが、
そこで起こしてもらったお陰で、私は無事に会社に戻ることができました。
 
その女性にお礼をしたくても、その女性は既に立ち去ってしまった後でした。
そこで私は、これから先、同じように電車の終点で寝ている人達を起こそうと考えました。
 
電車の終点で寝過ごしてしまうことの「ダメージ」と、
寝過ごしそうになっている時に起こしてもらう「有り難さ」を、
私は十分に知っています。
だから、その女性の「善意」を次につなげたいと思ったのです。
 
実際に終点で寝ている人を起こすには、少し勇気がいります。
しかし私は、今まで20人以上に声をかけて起こしました。
 
まあ、私に起こされた方が、更に他の人を起こしているかはわかりませんが、
「善意」は伝播するという一つの例を挙げさせて頂いた次第です。
(この件に関する過去ブログ「親切の連鎖」は、こちら
 
さて、この小説の主人公トレヴァーを見習って、
私も「世界」を「幸せ」にする方法を考えたいと思います。
その鍵は、ずばり「インターネット」でしょうね。
 
ご存じの通り、
ジャスミン革命」を始めとした「中東の春」による独裁政権の終焉は、
インターネットによって引き起こされました。
 
インターネットで「心」動かす何かを「発信」することが、
「世界」を変えるきっかけとなるのです。
SNSによって「世界」に対する発言権を得た市民が多くの「声」を「発信」し、
チュニジアという国家が大きく動く結果となりました。
(「ジャスミン革命」のウィキペディアは、こちら
(「ジャスミン革命」についての過去ブログは、こちら
 
インターネットの発達により、「世界」は不安定になっています。
蝶のはばたきが遠くの海上の台風の発生を引き起こすという
バタフライ・エフェクト」理論のように、
インターネット上の名もないある一人の「発信」によって、
「世界」の運命が揺らぐ可能性が大きくなっているのです。
 
ですので、私は「世界」を「幸せ」にする方法として、
インターネットでの「善意」の「発信」を提言します。
皆さん、フェースブックとかツイッターで「善意」を「発信」しましょう。
日本人特有のシャイな美徳が、
自身の「善意」を「発信」することに抵抗を覚えるかもしれません。
だったら、自分でなく他者の「善意」を積極的に発信するようにしましょう。
 
例えば、先日の大雪で高速道路に足止めされた人々の中の一人が、
山崎パン運転手から「好きなだけパン持ってって」と、
パンの無料提供を受けたことをツイッターで拡散しました。
この個人的な「発信」は、
やがてインターネット上で「共感」を呼び、
ニュースとなって日本中の人々が知るところとなったのです。
 
さあ皆さん!
その「善意」を、ネットの海に「発信」しましょう!
Send out it forward!
 
ネットの海を「善意」が繰り返し駆け巡れば、
やがて「善意」が当たり前の「世界」がやってくるでしょう。
 
なにしろ「善意」は、人々の「共感」を生む素晴らしい極上のコンテンツなのですから!
自分が「発信」した「善意」が、
多くの人々の「共感」を生んでいく過程を見るのはものすごく楽しいですよ!
 
私も、ブログでどんどん「善意」を「発信」していきたいと思います。
このプロジェクトに「共感」された方は、
是非「善意」を「発信」することにご協力下さい!
 
一緒に、「世界」を「幸せ」にしていきましょう!