「ジャンク価値観」

「ジャンクフード」という言葉はご存じですね?
ウィキペディアによりますと、

ジャンクフード(英: junk food)とは、栄養価のバランスを著しく欠いた食品のこと。
高カロリー、高塩分だが、他の栄養素であるビタミンやミネラルや食物繊維があまり含まれない食べ物。
「ジャンク」とは、英語で「がらくた」・「屑」の意。
と説明されています。
 
「ファーストフード」という言葉もありますが、
気軽に美味しく摂取できる「ジャンクフード」は、
我々日本人に依然人気の高い食べ物であるということは間違いがなさそうです。
 
さて「人はパンのみに生きるにあらず」。
体に必要な食料の他にも、「人」は「心」にも栄養が必要となります。
 
それは、「人」との「つながり」であったり、
自身の「価値観」の確立だったりするのかなと考える次第です。
 
「人」との「つながり」においても、
ジャンクでファーストな「つながり」がもてはやされています。
それはアイドルという商品であったり、キャバレーのような風俗であったり、
「心」を置き去りにした性交渉であったり、二次元の絵とのバーチャルな恋愛であったり。
 
ただ現在の豊かな社会において、
家族や恋人、仲間達と本当の「つながり」を享受する人も多くあり、
そういったジャンクな「つながり」との区分は、
ジャンクでない「つながり」とある程度線引きされているように感じます。
 
問題は、ジャンクな「価値観」の方です。
人は「価値観」も、最初は外から摂取します。
それは、親の教育だったり、学校の教育だったり、マスメディアの流布だったり、
尊敬する人からの影響だったり。
本来であれば、外から摂取した「価値観」はゆっくりと消化され、
自分の「心」を形成する部分となっていきます。
 
ただ、テレビも学校もない昔から比べたら、
現在の「価値観」の提供は過剰摂取と思えるほどに豊富です。
また、その栄養素も多様ではなく、栄養価のバランスを著しく欠いています。
 
このような栄養不良は、「心」の調子を崩してしまうと思うのです。
現に、「心」の風邪と言われる鬱が社会的な大問題になっています。
 
さて、ジャンクな「価値観」とは具体的にはどんなものでしょう?
 
例えば、流行のドラマを見ていると素敵な異性のタイプを擦り込まれます。
美男美女でスタイルもよく、ウィットに富んだ会話ができて愛嬌もあり頼りにもなる。
この「価値観」を小学生の頃から擦り込まれると、
周りの実在的な異性を見る際に、
この理想的な「偶像」を評価の基軸に据えてしまうのではないでしょうか。
実際には、演じている役者にだって人格に難があるかもしれず、
そんな完璧人間は、それこそ台本の中にしか存在しません。
 
そんな「モノサシ」で周りを見たら、特に若い頃なんて
そりゃあテンプレな人同士しか恋愛は成立しないのではないでしょうか?
 
この「ブログ」では何度ともなく言っていますが、
「モノサシ」は自身の内部にも構築する必要があります。
そうしないと自分には害のある誤った評価や判断を繰り返してしまい、
生きることが本当に苦しくなってくるのです。
 
恋愛は一つの例に過ぎません。
あなたがあなた自身を評価するときに、
テレビドラマが提供するようなジャンクな「モノサシ」を使っているようだと、
栄養不良でぶっ倒れますよ。
それは、外部からあなたを計測する「偏差値」や「学歴」も同様です。
「偏差値」も「学歴」も単なる一つの見方に過ぎません。
 
本当のあなたは、そんなに薄っぺらいものではないはずです。
だからこそ、
あなたの、あなたによる、あなたのための、「価値観(モノサシ)」が必要になります。
 
あなたの強みは、何ですか?
あなたの弱みは、何ですか?
あなたの特徴は、何ですか?
 
あなたに不足している栄養素は、何ですか?
過剰摂取で、あなたに害を与えている栄養素はありませんか?
あなたは、「心」に対する様々な滋養成分のうち、どんな栄養素を摂取したいですか?
 
「心」は「体」以上に多様です。
持って生まれた資質、生まれた環境、今までの体験・縁、
そういった無限の要素が一人一人の「心」を形作っています。
ですから、あなたの栄養士には、あなた自身がなるしかないのです。
 
「ジャンク価値観」の摂りすぎには、十分注意して下さいね。